『三笠砲鋼製 短刀』

この作品の買取価格・作家について

皆様こんにちは。緑和堂でございます。
今回ご紹介いたしますのは日露戦争で東郷艦隊の旗艦を務めた殊勲艦、戦艦三笠の後部主砲鋼材を用いて作られた短刀、通称『三笠刀』です。

1904年、日本海海戦の前年に勃発した黄海海戦の際に損傷した、後部連装主砲の砲身を用いて、1928年から32年かけて制作されたものです。今回の品には東郷平八郎の有名な言葉「皇国興廃在此一戦」が刻まれており、973本制作された甲種短剣の1本と考えられます。
制作したのは日本製鋼瑞泉鍛刀所の刀匠・堀井秀明(俊秀)の一門で、依頼をしたのは海軍将校の親睦団体・水交社でした。1926年、当時の日本海軍でも異例といえる記念艦として保存された三笠。
数々の華々しい活躍をした艦の殊勲を記念するために制作されたこの刀は、当時の海軍士官の間でたちまち大人気となったようです。

当時の技術の粋を集めて作られた大砲、その鋼の材質はまさに最高のものとなっており、短刀に姿を変え90年近く経った今でも、その輝きは失われていませんでした。
今回、短刀ではありますが、戦艦三笠の知名度、大正・昭和を代表する刀匠の監修した作品ということで、こちらの評価額をつけさせていただいております。

緑和堂ではこうした近代の刀剣も取り扱っております。登録証をご用意のうえ、お気軽にご相談下さい。