九代大樋長左衛門 作 飴釉茶碗『紫風』 速水宗仁書付

この作品の買取価格・作家について

今回紹介するお品物は、九代大樋長左衛門 作『紫風』速水宗仁書付です。

大樋長左衛門は金沢にある窯元です。
その歴史は古く350年を超え、現在は十一代大樋長左衛門が活躍しています。
大樋焼を見たとき、「おや？」と思う人もいるかもしれません。
それは「楽焼か？」という感覚でしょう。
それもそのはず、大樋焼は初代長左衛門が、四代楽吉左衛門（一入）の高弟であったためです。
茶道裏千家四世仙叟宗室が加賀藩五代藩主前田綱紀より依頼を受け、加賀にて茶道を広めるため、それに長左衛門が同道したことが始まりでした。

それから現代まで脈々と引き継がれた楽焼の技は、各代が試行を重ね、独特の釉薬を使い、大樋焼の名を冠することになったのです。

今回のお品物は九代大樋長左衛門の作品です。
大樋焼特有とも言える飴釉の照り。小ぶりな碗は手にすっぽりと収まり、持った時に手に馴染み、なんとも落ち着く逸品です。
こちらは二重箱となっており、箱には茶道速水流六代家元の速水宗仁の書付があります。
今回は専用の木箱である共箱であり、尚且つ書付があったこと、状態が良かったことなどから、この評価となりました。
もし木箱付きの茶碗をお持ちでしたら大切に保管されることをお勧め致します。