『ツタンカーメン王黄金のマスクとファラオ栄光 着物』

この作品の買取価格・作家について

今回ご紹介するお品物は、中村勇二郎 作 『ツタンカーメン王黄金のマスクとファラオ栄光 着物』になります。

中村勇二郎は1902年三重県に生まれ、幼少期から型紙師である父を手伝い、高校卒業後には父のもとで本格的に修行を始めます。
模様を作成するのに必要な彫刻刀を自ら手作りをするようになり、3000本以上の彫刻刀を制作されました。
1955年人間国宝に認定され、人間国宝新作展に大作の出品を毎年され、その後当時の皇太子殿下に「瑞雲祥鶴の図」を献上、以来皇室に型紙を献上し続け、「神業」と評価された程です。
1938年頃からは後継者養成の為、講師も務められてきました。
多くの作品を制作し評価されてきましたが、1985年83歳にて逝去されました。
伊勢型紙道具彫とは、生地に柄を染めるのに用いるものになります。
和紙を何枚にも重ね加工した紙を彫刻刀を使用し、図柄を彫りぬきます。この型紙を作るにはとても高度な技術力が必要となります。1983年に伝統工芸品として認定されております。

中村勇二郎作品の特徴として着物全体に均一な模様を描かれることで、その模様は細かすぎて無地に見えてしまう程とされています。
別作家の作品では通常黒地の作品は需要の関係もあり相場がかなり低いのですが、中村勇二郎作の黒地作品の場合、綺麗な状態で丈が長いものであればご期待していただけます。

今回のお品物は若草色のような色合いにエジプトの壁画のようなデザインが施されています。
色合い、柄共に着物を着たことのない若い方もチャレンジしやすいようなデザインかと思います。
また証紙と呼ばれる作家名や作品名が記載されたものが今回のお品物では一緒に保管されており、こちらがあるかないかでは作家作品である証明をするものでもあるので評価が変わる場合がございます。
さらにお品物の状態がとてもよく、丈も長めであり、証紙と付属の書類の保存がされていたこともありましたので、上記の評価となります。
保菅方法によってはカビやシミなどで相場が変動することがありますのでご注意ください。