日本刀といえば、武士の代表的な武器として日本国内のみならず、海外でも広く知られている刀です。日本では古墳時代に入る以前から鉄製の刀や剣の生産が行われていました。埼玉県で発見され、国宝に指定されている「金錯名鉄剣」は、5世紀頃の日本を代表する刀剣といえます。7～8世紀頃には中国からの輸入品も多くなりますが、大刀と呼ばれる国産刀の勢いも衰えず、その技術を高めていきました。平安時代に入るとそれまでの刀身がまっすぐな直刀から、反りのある彎刀へと変化していきました。平安時代後期に入ると貴族に代わって武家が力を持ち始め、同時に刀の需要も増加します。

一般的この時期以降に制作された刀のことを「日本刀」と呼びます。鎌倉、室町と武家政権が登場する中で、日本刀の需要も高まり続け、名工として語り継がれる正宗もこの頃活躍しました。火縄銃の伝来後も日本刀は合戦の場にあり、甲冑を装備しても持ちやすい形へ進化しながら、常に武士の傍にあり続けました。

江戸時代に入り、慶長年間以降、全国の刀の材質が均一化し始めたことから、これ以降の刀を「新刀」として区別されます。しかし太平の世になったことで、日本刀の需要は低下していきました。幕末の混乱期には若干ながら需要は増加に転じますが、明治新政府の廃刀令により、急激に衰退します。西南戦争後は有効な近接武器として、軍で使用する軍刀としてその地位を復活しますが、その後の戦争で歴史ある名刀を含め多くの日本刀が失われました。戦後はGHQによる没収で多くの刀が失われましたが、現在では武器ではなく美術品として、登録のうえ所有が認められようになっています。

最近ではオンラインゲームで取り上げられたこともあり、若い世代の間でもその人気が高まり、博物館の刀剣展が大盛況になるなどの“日本刀ブーム”が発生し、相場も上昇傾向にあります。ご自宅で管理に困っている日本刀がありましたら、この機会にぜひ緑和堂へご相談下さいませ。

なお日本刀は銃砲刀剣登録がされているもののみ取り扱い可能となります。
登録証のない刀剣は、お持ち込みいただく前に管轄警察署での発見届を提出のうえ、都道府県教育委員会にて登録証の交付をお受け下さい。詳しくはお住まいの各都道府県警察にお尋ね下さい。