
掛軸は日本の伝統的なアートで、室内の雰囲気を一段と引き立ててくれる品です。掛軸のサイズは、飾る床の間のサイズに合わせて選ぶのが一般的です。
掛軸にはさまざまなサイズがありますが、一般的には以下の通りに分類されています。
掛軸の基本的なサイズ
サイズの名前 | 高さ | 幅 |
---|---|---|
尺八幅 | 190cm | 64.5cm |
尺五幅 | 190cm | 54.5cm |
尺三幅 | 164cm | 44.5cm |
あんどん | 140cm | 54.5cm |
尺幅 | 140cm | 35cm |
尺幅横物 | 135cm | 64.5cm |
掛軸のサイズは一般的に、尺八幅、尺五幅、尺三幅、あんどん、尺幅、尺幅横物の6種類に分けられ、それぞれの高さと幅は上記のとおりです。
この中で、もっとも標準的で数も多いサイズは尺五幅のサイズになります。
掛軸の種類と特徴
掛軸の種類は、大きく分けて「書画」と「絵画」に分けられます。
まず「書画」ですが、これは主に漢字や仮名で表現された文字が主体となる掛軸です。書道家や茶道家、またお寺の住職さんによって書かれたものが多く、力強い筆致や美しい字形が魅力です。
和室には特に相性が良く、シンプルな空間に深みを与えてくれます。
次に「絵画」です。風景や花鳥、人の姿などが描かれた掛軸は、その内容によってさまざまな印象を与えます。特に日本画や水墨画の掛軸は、静寂感や自然美を感じさせてくれるので、和室の空間にぴったりですね。
季節ごとに掛け替えることができるため、楽しみ方も広がるでしょう。
季節に合わせた掛軸
日本の四季を感じるために、季節ごとに掛軸を変えることで、室内の雰囲気が一層豊かになります。特に掛軸は、自然や風景、動植物などのモチーフが多く用いられるため、その季節の特色を表現するのに最適です。
春には桜や梅の花、夏には涼しげな青々とした木々や海の景色、秋には紅葉や収穫を象徴する果物、冬には雪景色や静かな山々といったテーマが人気です。これらの掛軸を用いることで、壁面に季節感をプラスし、心地よい空間を提供します。
また、掛軸を交換することで、室内のインテリアが常に新鮮に保たれます。来客の際には、季節の掛軸が会話のきっかけにもなり、より深い交流を楽しむことができるでしょう。さらに、季節に合わせた掛軸を選ぶことで、アートを通じて日本文化の豊かさを感じることができます。
記念日に適した掛軸
【昇進や開業祝いなどのビジネスシーン】
力強いメッセージが込められた書の掛軸が選ばれることが多いです。祝福の言葉や、成功を祈るようなフレーズが含まれた掛軸は、受け取った方にとっても励みとなるでしょう。
【結納や結婚祝い】
結納や結婚祝いには、縁起の良い掛軸が喜ばれます。中でも「高砂」の掛軸は、夫婦の和合と長寿を願う意味があり、特にふさわしいとされています。
【還暦や古希、喜寿などの節目の祝い】
還暦や古希、喜寿などの節目の祝いには、色鮮やかな花鳥画や寿の字が描かれた掛軸が好まれます。
お茶の席での使用に適した掛軸
お茶の席で仕様される掛軸は「茶掛」と呼ばれており、茶道における最も格式の高い道具とされています。茶掛には、禅宗の教えである「禅語」が書かれています。
掛軸の選び方
掛軸を選ぶ際には、下記のいくつかのポイントを考慮して選ぶとよいでしょう。
お部屋に合った掛軸の選び方
和室であれば、伝統的なデザインの掛軸が自然と調和します。特に、風景画や季節の花をテーマにしたものは、和室の雰囲気を引き立ててくれるアイテムとして人気です。洋風の部屋の場合は、モダンアートや抽象画なども選択肢になりますね。
次に、掛軸の色が部屋のインテリアと調和することが大切です。落ち着いたトーンの掛軸は、シンプルな空間にマッチしやすく、一方で色鮮やかな掛軸は、部屋に明るさと活気をもたらします。壁の色や家具の色に合わせて、適切な色を選ぶと良いでしょう。
また、掛軸のサイズにも注意が必要です。配置する床の間のスペースを測り、ぴったりのサイズを選ぶことが肝心です。特に、複数の掛軸を飾る場合は、一貫性を持たせるといいでしょう。
床の間とのバランスを考える
床の間の大きさを確認しましょう。床の間が広い場合、尺八幅の掛軸を選ぶことで、より存在感を演出できます。逆に、小型の床の間では、コンパクトな掛軸がよりバランスの取れた印象を与えます。掛軸のサイズを床の間の大きさと対比させることで、空間全体の調和を意識することができます。
また、掛軸のデザインも重要です。床の間には花や茶道具、あるいは季節のテーマが表現されていることが多いため、選ぶ掛軸もそれに合わせたものにすると良いでしょう。
例えば、春には桜や新緑をテーマにしたデザイン、秋には紅葉を描いたものなど、季節感を大切にした掛軸を選ぶことで、床の間との一体感が生まれます。
掛軸のメンテナンス方法
掛軸を掛けている場所の環境に注意することがポイントです。直射日光が当たる場所や高温多湿の環境は、掛軸を劣化させる原因となります。そのため、日光を避けた場所に掛けることをおすすめします。さらに、湿度が高い場合は、除湿器を使用して湿度を調整すると良いでしょう。
掛軸の清掃方法ですが、まずはホコリを取り除くことが大切です。柔らかい布や筆を使って、優しく表面のホコリを払います。決して水や洗剤を使用しないようにしましょう。水分が掛軸を傷める原因となりますので、注意が必要です。
掛軸を保管する際は、巻いて保存するのが望ましいです。専用のケースや箱に入れると、外部からの刺激を受けにくくなります。環境を整え、定期的に手入れを行うことで、掛軸を長く楽しむことができます。
まとめ
掛軸は日本文化を象徴する素晴らしいアートの一つであり、その魅力を最大限に引き出すためには、サイズの選び方が重要です。
さらに、掛軸を選ぶ際には、そのサイズだけでなく、部屋のスタイルや他の家具との調和も考慮することが大切です。
和室の雰囲気を引き立てるためにも、自分の好みやライフスタイルにマッチしたサイズを選ぶことが、長く楽しむためのポイントと言えるでしょう。
季節ごとや記念日に合わせて掛軸を選び、インテリアを豊かにする方法もおすすめです。
自分の空間にぴったりの掛軸を見つけ、日々の生活に和の趣きを取り入れてみてはいかがでしょうか。掛軸が持つ豊かな表現力と癒しの力は、あなたの暮らしに彩りを添えてくれることでしょう。