![日本刀を売却するには](https://www.ryokuwado.com/wp-content/themes/twentyseventeench/img/column/to-sell-japanese-swords.webp)
日本刀は、売却に関して少し特殊な骨董品ジャンルになります。あらかじめ確認しておかなければならないことや、状況に応じて手続きなども必要になる可能性があるため、注意が必要です。
本記事では日本刀売却に関する知識を幅広くご紹介します。是非ご参考ください。
日本刀を売却する前の必須確認事項
ここでは、日本刀を売りに出す前に必ずチェックしておきたい確認事項についてご紹介いたします。
登録証があるか確認する
日本刀を売却する際には、まず「銃砲刀剣類登録証」の有無を確認しましょう。
銃砲刀剣類登録証とは、美術品・骨董品として価値があると認められた銃砲や刀剣類に対して交付される登録証のことで、銃砲や刀剣類にとっての戸籍のようなものになります。
本来、銃砲や刀剣類は銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)によって所持できないように定められています。しかし、 美術品・骨董品として価値があるものに関しては、この登録証の交付を受けると、所持することが認められるのです。
そのため、登録証が無い日本刀は正式に認められていないものになりますので、売却することはできません。
売却したい日本刀があった場合には、登録証がきちんと備え付けられているものなのかを事前に確認しておきましょう。
もし、登録証が無かった場合には、再交付や新規発行手続きを行うことで、新たに取得することができますので、日本刀を発見した場所(ご自宅で保管されていたなら、発見地はご自宅で大丈夫です)を管轄する警察署へ行き、「刀剣類発見届出済証」を申請しましょう。
また、登録証があった場合にも、所有者の名義が売却したいご本人様でなければ、買い取ってもらうことはできません。名義を変更する場合には、登録証に記載されている都道府県の教育委員会で「所有者変更手続」を行いましょう。
日本刀が本物なのかを確認する
本物の日本刀とよく間違えられてしまうのが、日本刀を模して作られた模造刀です。精巧に作られた模造刀だと、意外と一般の方には見分けるのが難しい場合もあります。
そこで、ご売却を考えている日本刀がお手元にある場合に、ぜひ試してほしいのが「磁石にくっつくかどうか」です。
本物の日本刀は、刀身部分は鉄でできているため、磁石に反応してくっつきます。そのため、もし、くっつかなった場合には、模造刀である可能性が非常に高いです。
模造刀だった場合、日本刀としては認められないため、買い取りできないという業者も少なくありません。もし買い取ってもらえたとしても、買い取り価格は本物に比べて格段に安くなってしまいます。
鑑定書の有無を確認する
刀剣類は、各鑑定機関に依頼すると「鑑定書」と呼ばれる、日本刀の価値を証明する証明書を発行してくれます。鑑定書がなければ売却できないというわけではありませんが、その鑑定書があることで、買取価格が高くなる場合も多いため、事前に確認しておきましょう。
また、鑑定書があった場合、どこの鑑定機関が発行した鑑定書なのかも確認しましょう。各鑑定機関の中でも、「公益財団法人日本美術刀剣保存協会」が発行した鑑定書は、国内でも信頼性が高いといわれていますので、売却の際に有利になる場合があります。
日本刀の売却方法
お手元の日本刀が、売却できるものであることが確認できたら、次はどこで売りに出すかを考えましょう。
日本刀を売る場合、古物商許可という許認可を得ている買取業者に買い取りを依頼することができます。また、自分でヤフオクなどのオークションサイトで売るという選択肢もあります。
それぞれに特徴やメリット・デメリットがありますので、以下で詳しくご紹介いたします。
オークションサイトで売る
オークションサイトを利用する場合、メリットとして考えられるのはオンライン上で取引ができることです。忙しくて直接買取業者に行く時間がないといった方でも気軽に利用することができます。
しかし、オークションサイトで日本刀を出品する場合、大きなデメリットが考えられます。それは、金銭トラブルが発生しやすいことです。
オークションサイトでの取引は、買主側(日本刀を落札する側の人)がどんな人なのかが不明確である場合がほとんどです。それに加え、業者とのやり取りではなく、個人間でのやり取りが多くなりますので、入金トラブルなども発生しやすいのです。
また、本物の日本刀は、オークションサイトに出品すると数十万円単位での取引になる場合も多い高額商品のため、もしそういったトラブルが起きてしまったときの損害も大きくなってしまいます。そういったリスクを回避したいのであれば、オークションサイトへの出品はあまりおすすめできる方法ではありません。
買取業者に依頼する
買取業者へ依頼する際は、まず「骨董品・古美術品買取業者」へ買い取りを依頼するのがおすすめです。実は買取業者にはさまざまな種類があり、本やホビーなどの他のジャンルの買い取りを得意としている買取業者もいますが、本来日本刀は畑違いな業者であることがほとんどであるため、骨董品・古美術品を専門に扱う買取業者へ依頼するのが安心です。
骨董品・古美術品買取業者へ依頼するメリットとしては、日本刀に関する知識や買取経験が豊富で、そのノウハウと骨董品・古美術品市場の市場相場に基づいて買取価格を付けてくれることです。また、買主側(日本刀を買い取る側の人)の身元がはっきり分かるため、安心感もあります。
反対に考えられるデメリットとしては、オークションサイトに比べて時間や手間がかかりやすいという点が挙げられます。
日本刀の買取相場と高い値段がつく日本刀の特徴
日本刀の買取価格はとても幅が広いため、買取相場も一概に言うことはできません。実際、値段が付かないようなものもあれば、過去には5億円という破格の値段で取引されたような事例もあります。
そこで、ここでは高い値段がつく日本刀の特徴についてご紹介しますので、おおよその目安としてご参考にしてください。
刀匠によって作られた日本刀である
日本刀は、誰が作った作品なのかでかなり買取価格が変動し、有名な刀匠の作品であればかなりの高値が期待できます。
高額査定が期待できる代表的な刀匠には、天下三作として数えられる「吉光」「正宗」「義弘」などがいます。
保存状態が良い日本刀である
日本刀は、その保存状態がどれだけ綺麗かによっても買取価格が変動します。具体的には、主に刀身に刃こぼれや疵(きず)、錆びがないかといった点が査定の際に評価対象となります。
もしそれらがあったとしても、他のポイント次第では高額査定となる場合がありますので、一度査定を依頼してみましょう。
また注意点として、自分で修復を行うことは絶対にしてはいけません。専門知識や経験がない人が行った修復跡は、日本刀の価値を大きく下げてしまう原因となってしまうためです。
古い時代の日本刀である
日本刀は、製作された時代が古いほど希少性や歴史的価値が高くなるため、査定時の評価も高くなります。また、古い時代の日本刀で保存状態も良い状態ですと、より高い査定額が期待できます。まとめ
本記事では、日本刀の売却に関する内容をご紹介してきました。
まず、日本刀を売却する際には、「銃砲刀剣類登録証」の有無など、事前に確認しておかなければならないことや確認しておいた方がいいことがいくつかあります。
日本刀の売却方法として、オークションサイトに自分で出品する方法や買取業者に依頼する方法などがありますが、それぞれのメリット・デメリットを考慮した上で選択するようにしましょう。
日本刀の買取相場については、幅が広いため一概には言うことはできませんが、一般的に高い査定額が付きやすい日本刀には、いくつかの共通した特徴があります。
これらの内容を把握したうえで売却をすると、スムーズに進めることができます。もし分からないことや不安に思っていることがあれば、日本刀買取に詳しい買取業者に相談すると具体的なアドバイスをもらえますので、おすすめです。