お稽古用の茶道具は売れる?骨董品買取の専門家が回答

お稽古用の茶道具は売れる?

茶道具は、習い始めたときに一式を揃えることが一般的であり、その後も大切に使うものです。しかし、茶道を学びながら道具を買い替えたり、生活の変化や整理のために道具を手放したりすることもあるでしょう。

本記事では、当店にも寄せられるご相談のなかから、「お稽古用の茶道具は売れるのか?」という疑問に着目し、お稽古用の茶道具を買取に出す際のコツなど詳しく解説します。

お稽古用茶道具とは?

まず、お稽古用の茶道具は、初心者から中級者向けで、実際のお稽古で使用するための実用性重視のアイテムが多いです。たとえば、茶碗や茶筅(ちゃせん)、茶杓(ちゃしゃく)などがそれらに含まれ、一般的に美術的価値よりも実用性や耐久性が求められがちです。そのため、骨董品専門店の中では扱っていない店も少なくありません。

買取市場におけるお稽古用茶道具の価値

しかし、譲り受けたり遺品を受け継いだりした茶道具や、出所が不明な茶道具の中には、思いのほか高価なものが含まれる場合があります。もしそれが、歴史的な価値があるものや有名な作家の作品であれば、通常のお稽古用茶道具とは異なり、高額査定が付くことがあります。

道具の保存状態が良好であれば、買取市場での評価はさらに高まります。よって、お稽古用だからと諦めずに、手放す場合は一度専門店に相談されることをおすすめします。

お稽古用の茶道具はどこで売れる?手放し方をご紹介

お稽古用の茶道具を手放す際、どこに売るかは重要なポイントです。ここでは主な売却方法や手放し方を紹介します。

専門の買取業者:店舗買取・出張買取・宅配買取

茶道具専門の買取業者は、茶碗や茶杓、風炉など茶道具全般に精通しており、正確な査定を受けられるのが特長です。特に流派や名工の作品が含まれている場合は、高額査定が期待できます。

また、出張買取や宅配買取に対応している業者も多く、手間をかけずに売却できるのも魅力です。

店舗に持ち込む店舗買取、自宅に来て査定・買取してもらう出張買取、店舗へ郵送する宅配買取などがありますが、お店によって対応が異なります。事前に問い合わせて可能な買取方法を確認しましょう。

骨董品店

骨董品店では、茶道具が持つ歴史的価値や希少性を考慮して査定を行います。中には古い茶道具や伝統工芸品に詳しい鑑定士がいる骨董品店もあり、茶道具専門店と同様の的確な評価が期待できます。

店舗によって得意分野が異なるため、複数の店に相談して査定してもらうとよいでしょう。

フリマアプリやオークションサイト

フリマアプリやオークションサイトでは、自分で価格を設定して出品することができます。使用感のあるお稽古用の茶道具でも、需要があればスムーズに売却できることがあります。

ただし、購入者とのやり取りや発送作業が必要となるため、手間がかかる点には注意が必要です。

メルカリやSNSを活用した販売
近年、メルカリやSNSを活用してお稽古用茶道具を販売する人が増えています。メリットは、24時間どのタイミングでも出品可能であることと、広範囲な消費者に直接販売を呼びかけることができ、手続きも比較的簡単なことが挙げられます。
メルカリで自ら茶道具を出品する場合は、出品時に商品の詳細(傷や汚れ、色褪せ・錆び具合などの状態)や写真をしっかりと掲載することが求められます。
また、併用してX(Twitter)やInstagramなどのSNSを活用すれば、フォロワーに対して直接売却の呼びかけが可能になります。

※メルカリとは、個人間による売買(CtoC)を手軽に行えるフリマアプリのことです。メルカリの他にも、Yahoo!フリマやYahoo!オークション、楽天ラクマなどでも同様の売買を行えます。

茶道教室や知人への譲渡

査定の結果、価値がほぼ付かなかった品物でも、身近な茶道教室や茶道を嗜む知人に直接譲渡するのもひとつの方法です。茶道のコミュニティ内であれば、安心して引き渡せるだけでなく、喜ばれることもあるでしょう。


茶道具の売却先には以上のような方法があります。価値がなさそうに見えても、査定に出したお稽古用の茶道具に意外な買取価格がつく場合もあります。

まずは専門家に鑑定を依頼し、査定額が低い場合にフリマアプリなどを利用する、というのが賢い順序です。

お稽古用茶道具の買取相場はどのくらい?

お稽古用の茶道具の買取相場は、平均して1点あたり数十円から高くても数千円程度です。一般的なお稽古用の茶道具は実用性を重視した手頃な価格帯のものが多く、流通量が多いため、高額で買い取られることは稀です。複数点をまとめて売却しても、全体で数千円程度に収まるケースがほとんどです。

しかし、著名な作家の作品や特定ブランドの茶道具であれば、相場を大きく超える高値がつくこともあります。たとえば、お稽古用に使用している茶道具が譲り受けたものだったとして、それらが樂吉左衛門や加藤唐九郎、北大路魯山人などの作品だった場合、状態によっては数百万円の査定がつく可能性もあるのです。

売却を考える際にはまず、専門の買取業者や骨董品店で査定を依頼し、正しい評価を受けることをおすすめします。

茶道具を高く売る!成功のための3つのポイント

茶道具の売却を決めたら、査定額が少しでも上がるように以下の点に気をつけましょう。

Point1.付属品が価値を高める

高額買取が期待できる茶道具の多くは「共箱」と呼ばれる木箱に収められています。この共箱には、作家名や作品名、種類が記されており、場合によっては製作時期を特定することも可能です。

さらに、蓋の裏に記された茶人や鑑定者の書付があると、その信頼性が大きく向上し、査定額が跳ね上がることも。特に、有名茶人の書付がある場合は非常に高く評価される傾向にあります。これらの付属品が多少破損していても、査定の際に一緒に持参することをお勧めします。

Point2.セット品はすべて揃えよう

茶道具には、短冊箱にまとめられたセット品があります。こうしたセットでは、欠品があると価値が大きく下がるため注意が必要です。売却前に、全て揃っているかを確認してください。

Point3.お手入れは慎重に

茶碗などの陶器は水洗い可能ですが、茶杓や茶筅といった竹製品は水に濡らすと歪む恐れがあります。また、陶器類も水洗い中の破損には注意が必要です。基本的に、査定額に大きく影響しない軽い汚れであれば、乾いた布でホコリを拭き取る程度のお手入れで十分です。

お稽古用茶道具の管理と保存

すぐに茶道具を手放す予定はないという方も、いずれ手放す可能性がある場合には、以下のことに注意して保管をしましょう。

骨董品としての扱いと保管方法

茶道具の中には、骨董品として価値があるものもあります。骨董品として取り扱う際には、保存方法や管理に特別な注意が必要です。

  • 湿気や直射日光を避ける
  • 適切な温度と湿度で保管する
  • 定期的に茶道具の状態をチェックする
  • 著しく劣化が見られた場合は専門家に相談も視野に

長期保存時の注意点

茶道具を長期間保存する場合は、定期的なメンテナンスと注意深い管理が求められます。特に、湿気やカビが生えないように、保存場所には気をつけなければなりません。保存時に使うケースや袋なども、茶道具に適した素材を選び、なるべく摩擦を避けるようにしましょう。

状態を保つためのメンテナンス

お稽古用で使用している茶道具を長期間使用するためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。茶碗や茶筅は使用後すぐに洗浄し、乾燥させてから収納することが基本です。茶道具を大切に扱い、適切に手入れすることで、長く良い状態を保ちながら次の世代に伝えることができます。

信頼できる買取業者の選び方

お稽古用の茶道具を売却する際に複数の買取業者に相談し、信頼できる買取先を選んでおくと、後々また別の茶道具を手放したいときに安心して買取を依頼することができます。この機会に、以下のステップを踏んで業者選びを行いましょう。

口コミの確認

まずは、口コミをインターネットやSNSで調べてみましょう。実際に利用した人のレビューや感想は、業者の対応や査定額の透明性を知るための大きな手がかりとなります。具体的には、業者のホームページに掲載されている利用者の声や、Googleのビジネスプロフィールなどにある口コミが参考になります。

  • 査定額の満足度:提示された査定額が妥当であるか。
  • 対応の迅速さ:査定や入金がスムーズに行われたか。
  • スタッフの態度:丁寧な説明や親切な対応があったか。

注意点としては、口コミには信頼性の低いものも含まれることがあるため、複数のサイトや情報源を比較することをおすすめします。

実績の確認

長年の営業実績がある業者は、それだけで信頼性の裏付けになります。公式ウェブサイトを確認し、以下のような情報が掲載されているかをチェックしましょう。

  • 創業年:長期間営業している業者は、安定した取引実績がある可能性が高い。
  • 取扱品目の専門性:茶道具に特化している業者であれば、適切な評価が期待できる。
  • 過去の取引事例:具体的な買取実績や価格が紹介されているか。

買取業者が属している業界団体や認定資格がある場合は、安心材料となります。都道府県の公安委員会による「古物商許可証」などもその一例です。

店舗訪問や問い合わせでの確認

口コミや実績に加え、実際に店舗を訪問したり、問い合わせをしてみることも重要です。

  • 店舗が清潔で整理されているか。
  • 品揃えやディスプレイの品物は売りたいジャンルとかけ離れていないか。
  • スタッフが丁寧に対応し、こちらの質問に明確に答えてくれるか。
  • 買取価格の内訳や基準を説明してくれるか。

特に、高価な茶道具を売却する場合には、査定時の説明が丁寧であることが欠かせません。

査定額の比較

できれば複数の買取業者に査定を依頼してみてください。比較対象があれば、茶道具を悪徳業者に安く買い叩かれてしまったり、お手軽なフリマアプリで相場より安く売ってしまったりするリスクも回避することができます。

まとめ

お稽古用の茶道具は、実用性を重視した道具が多い一方で、思いがけず高い価値を持つ場合があります。本記事で紹介したように、売却を検討する際はまず専門の買取業者に査定を依頼し、正確な価値を把握することが大切です。

また、茶道具を高く売るためには、セット品や付属品を揃えたり、お手入れを適切に行うこともポイントです。売却先のそれぞれのメリットを活用し、自分に合った方法で茶道具を買取りに出してみてはいかがでしょうか。

骨董品買取の緑和堂では、作家名・年代など分からないお品でも買取のご対応が可能です。主な買取対象品をご紹介します。

  • 千家・家元(書付道具・専門書など)
  • 茶碗
  • 水指
  • 建水
  • 茶器
  • 茶筅
  • 茶杓
  • 香合
  • 蓋置
  • 柄杓
  • 水注
  • 茶入
  • 茶壷
  • 菓子器
  • 風炉先屏風
  • 茶掛
  • 鉄瓶
  • 茶釜・風炉釜

茶道具の部品は数多くありますが、もちろん上記以外でも鑑定は可能です。

価値が付くか分からないお稽古用の茶道具でも、メールフォームLINEからまずはお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

株式会社 緑和堂
鑑定士、整理収納アドバイザー
石垣 友也

鑑定士として10年以上経歴があり、骨董・美術品全般に精通している。また、鑑定だけでなく、茶碗・ぐい吞み、フィギュリンなどを自身で収集するほどの美術品マニア。 プライベートでは個店や窯元へ訪れては、陶芸家へ実際の話を伺い、知識の吸収を怠らない。 鑑定は骨董品だけでなく、レトロおもちゃ・カード類など蒐集家アイテムも得意。 整理収納アドバイザーの資格を有している為、お客様の片づけのお悩みも解決できることからお客様からの信頼も厚い。

査定・鑑定料、出張費すべて無料
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