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引っ越しや遺品整理などのタイミングで、茶道具の処分についてお悩みの方はいらっしゃいませんか?
この記事では、茶道具を適切に処分する方法や、できるだけ高く売るためのコツ、そして注意点について解説します。
茶道具の処分方法
茶道具を処分する方法はいくつかありますが、それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるため、どの方法が最適かをしっかりと見極めることが大切です。
ここでは、代表的な処分方法について詳しくご紹介します。
不要なものとして手放す
時間がない、手間が面倒という方は、不用品として自治体の回収業者などに引き取ってもらうという方法もあるでしょう。
しかし、茶道具を処分する際の第一選択として、この方法はお勧めできません。その理由としては、茶道具の中には売却すると想像よりも高値が付くものも多くあるからです。
特に、茶道具は種類も多く、一つ一つは小さいものであることがほとんどのため、あまり知識がない方にとってはその価値は分かりづらいものです。
実際、亡くなったご家族の茶道具一式を鑑定に出してみると、有名作家が制作した作品が紛れていて、数十万円の買取価格がついたというケースもあります。
手間や時間がかからないというのはとても便利なものですが、知らないうちにお宝を捨ててしまっているかもしれないという、大きなデメリットが潜んでいるのです。
寄付する
使わなくなった茶道具は寄付をすることもできます。
主な寄付先としては、茶道部がある学校などが挙げられ、お稽古用として寄付を募っている場合が多いです。そのため、寄付をする方法は、自分が所有している茶道具もお稽古用で、もう使わなくなったので誰かに使ってほしいという気持ちがある場合には最適な方法でしょう。
寄付先を探すときには、インターネットで検索することが近道です。
知人に譲る
茶道具を多く持っていらっしゃる方は、茶道教室の仲間など、茶道に関するコミュニティーを持っている方が多いと思います。もう使わなくなった茶道具はそういった知り合いに譲るという選択肢もあります。
譲る際には、使う相手のことを考えて道具をお手入れした後に、自分も使っていた中古の品であるという一言を添えた上で譲るようにしましょう。
フリマサイトやオークションに出品する
茶道具を売りたいと思った時、まず売り方には、「自分で売る方法」と「買取業者に依頼する」という2つの方法があります。
そして、自分で売りたいと思った時には、メルカリやヤフオクなど、フリマサイトやオークションサイトに出品するのが代表的な方法として考えられます。
こういったサイトに出品することのメリットとしては、品物の販売価格を自分の希望額で付けることができることです。特に、ファンが多い作家の作品である場合などには、値段が吊り上がっていくこともあり得るでしょう。
しかし、こういったサイトでの取引には大きな危険性が潜んでいることもしばしばあります。具体的には、個人間の取引がほとんどであるために、入金トラブル・返品トラブルなどが起こりやすいことが挙げられます。
また、出品しても値段が付くとは限らないというデメリットもあり、高値を期待して出品しても、結局値下げ価格でしか売れなかったというケースも多いです。
さらに、多くの茶道具を処分したい場合でも、全ての取引成立までに長い時間がかかってしまうことが多かったり、取引成立後の梱包・発送も1点ずつ自分で行わなければならないという手間も発生してきます。
フリマサイトやオークションに出品する方法は、取引成立までに時間や手間がかかっても構わない、出品する品数が少ないという方にはおすすめですが、トラブルを出来るだけ回避したい、まとめ売りをしたいという方には不向きな方法といえるでしょう。
買取業者に依頼する
買取業者に買い取ってもらうことを考えた際、まず依頼する業者は骨董品を専門に取り扱っている「骨董品買取業者」がおすすめです。
その理由ですが、実は買取業者にはいろいろな業種があります。例えば、リサイクルショップなど、他のジャンルを扱う買取業者でも買い取ってくれる場合は多いですが、茶道具買取に関するノウハウはあまり期待できない場合が多いです。そのため、餅は餅屋という言葉もあるように、専門の骨董品買取業者に依頼することで品物の価値をしっかり見極めてもらえます。
骨董品買取業者に依頼するメリットとしては、骨董品市場での買取相場を熟知しているため、品物の価値を一番正確に評価してもらえることが期待できる点です。
また、買い取ってほしい茶道具がたくさんある場合でも、まとめて査定・買い取りしてくれるので時間や手間もかかりません。
また、考えられるデメリットとしては、市場価値に基づく査定額であるために、前述のフリマアプリやオークションサイトに出品する場合よりも査定額が結果低くなる可能性があります。
茶道具を処分する前に確認すべきポイント
処分を検討している茶道具の中には、高値で売れるものが含まれているかもしれません。そのため、まずは買い取りに出してみるのがおすすめです。
そこで、ここでは買い取りに出す際に確認しておきたいポイントを以下でご紹介いたします。
制作年代の確認
茶道具の価値は、制作された年代によって大きく左右されます。特に、江戸時代以前に制作されたような古い作品や歴史的価値があるものは、高値で取引される場合もしばしばあります。
茶道具の年代を調べる方法としては、作品がしまわれていた箱や作品の裏側の刻印を確認すると記されている場合があります。具体的に記されていない場合には、デザインや作品の特徴から調べてみるという方法もあります。
作家の確認
茶道具には著名な作家や窯元が手掛けたものも多く、その作家の評価や人気によって作品の価値が大きく変動します。
例えば、中川浄益や永楽善五郎などの有名作家が作った茶道具は、通常より高価で取引されることが多いです。
作家物の作品である場合、多くは作品を収納している箱に作家の直筆サインが記してあったり、作品の裏に作家の刻印が記されていますので、確認してみましょう。
鑑定書や付属品の確認
茶道具には、購入時に鑑定書や箱、作品を包む布などの付属品が一緒についていることがあります。
特に、鑑定書には、その茶道具の価値を証明してくれるものであるため、作品と一緒に査定に出すと査定額が上がる可能性があります。
また、作品が収納されていた箱や作品を包んでいた布などの付属品も、作品と一式で査定に出すことで、査定額が高くなる場合があります。
査定に出そうと思っている茶道具があるなら、そういったものがなかったか一度探してみることをおすすめします。
茶道具を高く売るためのコツ
茶道具を少しでも高い値段で売るには、いくつかの押さえておきたいポイントがあります。
ここでは、以下の3つのコツについてご紹介いたします。
骨董品買取の専門業者に依頼する
前述にもありますが、茶道具を売るなら骨董品を専門的に扱っている骨董品買取業者に依頼するのがおすすめです。
骨董品買取業者以外の業者に依頼してしまうと、作品の買取相場に関する知識やノウハウが不十分であるために、安く買いたたかれてしまうリスクがあるからです。
また、骨董品買取業者といってもたくさんの業者がありますので、信頼できる業者を見極めて依頼することも大切です。
実際に選ぶ際には、買取業者の各ホームページ等に掲載されている買取実績例などを参考にするのがおすすめです。買取実績例を多く掲載している買取業者ほど、たくさんの買取経験から得られる査定のノウハウを持っていることが期待できるからです。
さらに、それと併せて、口コミサイトなどでその買取業者の対応の丁寧さなどをチェックしておくと、安心して任せることができるでしょう。
査定に出す茶道具は事前に手入れしておく
茶道具の査定の際、作品の保存状態や綺麗さなども評価基準の一つになります。そのため、ホコリや軽微な汚れがついている場合、清潔な布で拭き取るなど、事前にお手入れをしておくと査定時に好印象になります。
ただし、お手入れが不慣れな場合は傷を付けてしまい価値を下げてしまう可能性がありますのでそのまま持ち込みましょう。
また、傷や破れなどがある場合には、無理に自分で修復をするのは控えましょう。骨董品の修復に関する知識が無い方が行った修復跡は、作品の価値を大きく下げてしまうためです。
適切な環境で保管しておく
茶道具の中でも茶掛(茶室に掛けておく掛軸)など、ものによっては湿気や温度、直射日光に敏感なものもあります。そういったものは適切な環境で保管しておくことで劣化を防ぐことができ、結果、査定額も高くなる場合が多いです。
茶道具の種類によっても適切な環境は異なりますが、共通して以下の3点については最低限考慮して保管をしましょう。
- 低すぎる湿度、高すぎる湿度は避ける
- 温度変化の激しい部屋で保管するのは避ける
- 窓際などの直射日光が当たる場所での保管は避ける
まとめ
茶道具の処分方法にはさまざまな方法がありますが、捨ててしまう前に買い取りに出してみるのがおすすめです。
また、茶道具を買い取りに出す際には、事前に確認すべきポイントや売却時のコツを押さえておくとよいでしょう。
それらを事前に確認しておくことで、結果、高い値段で買い取ってもらえる可能性が高くなります。