【茶道初心者向け】基本的な作法と茶道用語をわかりやすく解説

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茶道は古くから存在する日本の伝統文化の一つであり、茶道における作法や言葉は、その背後にある精神や哲学を反映しています。
本記事では、茶道の基本的な作法や、よく使用される言葉の意味について詳しく解説いたします。

茶道の基本作法

茶道における作法は、心を整え、他者を思いやるために大切なこととされています。作法の細かな部分は各流派によっても異なりますが、ここでは流派に限らず基本的なマナーとしての作法について、解説いたします。

席入りの方法

席入りとは、茶事や茶会に招かれたときに、茶席に入ることをいいます。
席入りをするときは、まず事前に手水鉢で手を洗い清めます。その後、茶室の入口で亭主(茶事や茶会の中心となる人)へ向けて「失礼します」と声をかけ、軽く一礼してから入室しましょう。
席へ向かう際には周りの席の人の迷惑にならないよう、静かに、足元に気を付けながら進みましょう。

ちなみにお茶の席で亭主に最も近い席に座る人のことを「正客(しょうきゃく)」、最も遠い席に座る人のことを「末客(まっきゃく)」と呼びます。

挨拶の仕方

出席者が着席すると亭主が挨拶をしますが、他の出席者の前に正客が代表で挨拶をします。
亭主がこちらを向いてお辞儀をしたら、他の出席者も一緒に頭を下げます。

お菓子の食べ方

挨拶が終わると、まずはお菓子が振舞われます。
お菓子を運んできてくれた人がお辞儀をしたら、感謝の意を込めてお辞儀を返します。
食べる際は、亭主から「どうぞお菓子をお取りください。」と声をかけられてから手を伸ばすようにしましょう。

お茶の飲み方

お菓子を食べ終わるくらいのタイミングで、最後にお茶が運ばれてきます。
目の前にお茶が運ばれてきたら、お菓子と同様に運んできてくれた人にお辞儀をします。その時、自分の次の席の人にまだお茶が運ばれてきていなかったら、「お先に頂戴します。」と一声をかけ、その人にもお辞儀をします。
その後、「お点前頂戴します。」と言ってもう一度頭を下げ、茶碗を両手で軽く持ち上げます。
飲む際は、茶碗を手の上で少し回してから飲むようにしましょう。お茶は一気に飲むのではなく、ゆっくりと味わって飲むのがマナーとされています。
飲み終えた後、茶碗の飲み口を指で軽く拭き、茶碗の正面(絵柄がある茶碗なら絵柄がある方が正面)を向こう側へ向けておきます。

茶道で使われる言葉一覧

茶道では、普段は馴染みのないような言葉が多く使われています。使い方や読み方などは流派によって若干異なる部分もありますが、一般的に使われている言葉は以下のとおりです。

用語(読み仮名)用語の意味
一期一会
(いちごいちえ)
茶会での出会いは、一生に一度の出会いとして主客ともに誠意を尽くすこと
一服
(いっぷく)
点てられた茶を飲むこと
居前
(いまえ)
亭主が茶を点てる際に座る場所
薄茶
(うすちゃ)
薄めの濃度で点てられた抹茶
大寄席
(おおよせ)
大人数で開かれる茶会
主菓子
(おもがし)
餡で作られた、羊かんや練り切りなどの生菓子
懐石
(かいせき)
茶事において客に振舞われる料理

(かま)
湯を沸かすために使用する茶道具
通い畳
(かよいだたみ)
亭主が茶道口から茶室へ入り、客人が座っている座席まで向かうまでの畳
貴人畳
(きにんだだみ)
床の前の畳
切止
(きりどめ)
茶杓などの柄の先端部分のこと
客畳
(きゃくだたみ)
客人の座席
客付
(きゃくつき)
手前をする際に、亭主の座席から見て客人に近い方のこと
濃茶
(こいちゃ)
通常の2~3倍の濃度で立てられた抹茶
茶道口
(さどうぐち)
亭主が使用する出入り口
捌く
(さばく)
帛紗や古帛紗を折り畳み、道具を清めること
三千家
(さんせんけ)
表千家、裏千家、武者小路千家の総称
膝行
(しっこう)
立たずに膝のみで前進すること
自服する
(じふくする)
亭主自身が自分で点てた茶を飲むこと
正客
(しょうきゃく)
最も亭主に近い席に座っている客人
相伴する
(しょうばんする)
正客の伴として、一緒にもてなしを受けること
真・行・草
(しん・ぎょう・そう)
所作や茶道具の格式などを表す言葉
すい切り茶を飲み切る時に音を立てること
席入り
(せきいり)
茶会や茶事に招待された際、茶室に入ること
建付
(たてつけ)
襖を閉めた時に当たる柱
茶入
(ちゃいれ)
濃茶を立てるための抹茶を入れておく容器
茶事
(ちゃじ)
茶道における正式なおもてなしとして開かれる茶会
茶筅通し
(ちゃせんとおし)
茶を点てる際や片付ける際に、茶筅の先端を調べること
茶掃箱
(ちゃはきばこ)
茶入や棗など、抹茶の粉末を入れておくための茶道具一式を収納する箱
亭主
(ていしゅ)
茶会や茶事を主催する人
点前
(てまえ)
客人の前で茶を点てる一連の作法と流れ
点前座
(てまえざ)
亭主の座席

(とこ)
掛軸や花入、香合などを飾っておく床の間のこと

(なつめ)
薄茶を立てるための抹茶を入れておく容器
躙り口
(にじりぐち)
茶室の出入り口
躙る
(にじる)
両手で体を支えて、膝で前進・後退する動きのこと
半東
(はんとう)
亭主(茶会や茶事の主催者)のサポート役の人
干菓子
(ひがし)
落雁などの水分が少なく、日持ちするお菓子
縁高
(ふちだか)
主菓子を入れておく容器
風炉
(ふろ)
釜をかけておくための茶道具
風炉先屏風
(ふろさきびょうぶ)
手前座に置いて使用する屏風のこと

(へり)
畳の縁
松風
(まつかぜ)
松の木の間を風が吹き抜ける時の音
末客
(まっきゃく)
亭主から最も離れた席に座っている客人
水指
(みずさし)
茶碗などを洗い清めるための水を入れておくための茶道具
水屋
(みずや)
茶席の準備を行うための場所
水屋茶杓
(みずやちゃしゃく)
茶入や棗に抹茶の粉末を移すために使用する茶杓
水屋壷
(みずやつぼ)
水屋で使用する、水を溜めておくための壷
利休七則
(りきゅうしちそく)
千利休が茶道の心得について表した七か条のこと

(ろ)
湯を沸かすために火を起こし、釜をかけておく場所
炉開き
(ろびらき)
11月上旬ごろに炉を開け、釜を据えることで、茶道におけるお正月のようなもの
炉縁
(ろぶち)
11月~4月の炉の時期に、炉の周囲にはめる木枠のこと
和敬清寂
(わけいせいじゃく)
主客ともにお互いの心を和らげて敬い、茶室にある道具や茶会・茶事の雰囲気を清めるという意味

まとめ

茶道には、流派によって細かな違いはあるものの、さまざまな作法や言葉が存在します。
本記事を通じてそれらを知り、理解を深めることで、茶道初心者でも茶会や茶事を楽しむことができるでしょう。

この記事の監修者

株式会社 緑和堂
鑑定士、整理収納アドバイザー
石垣 友也

鑑定士として10年以上経歴があり、骨董・美術品全般に精通している。また、鑑定だけでなく、茶碗・ぐい吞み、フィギュリンなどを自身で収集するほどの美術品マニア。 プライベートでは個店や窯元へ訪れては、陶芸家へ実際の話を伺い、知識の吸収を怠らない。 鑑定は骨董品だけでなく、レトロおもちゃ・カード類など蒐集家アイテムも得意。 整理収納アドバイザーの資格を有している為、お客様の片づけのお悩みも解決できることからお客様からの信頼も厚い。

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