長曽祢 興里（初代）

刀工作家 長曽祢 興里（ながそね おきさと）

生没： 1605～1678

長曾祢興里は福井県で甲冑師として活動しておりましたが、1656年ごろにの50歳の頃に江戸へ移住し、刀工として活動をはじめます。

刀工となったのは遅かったのですが、刀工としてスタートしてからの活躍は破竹の勢いで名工として一気に名を上げます。

当初の刀工名は「長曽祢興里」と名乗っていましたが、入道（仏門に入ること）してからは「こてつ」と銘を切るようになります。

一番初期のもので「古徹」、次に通称「はねとら」と呼ばれる「虎徹」、さらに1644年ごろになると通称「はことら」の虎の字を変えた「乕徹」という三種類の銘を用いるようになりました。

銘の字を頻繫に変える理由には、興里の生前から贋物が多数存在した為だといわれています。刀を売っているところで虎徹を見たら100％偽物と思えと言われるほどでした。銘を変えるごとに作風に変化がみられ、技術力も格段に上がっていったとされています。実際、乕徹の作品は「最上大業物」と称されるほどに切れ味が良かったと言われています。

銘は「長曽祢虎徹興里」、「長曽祢興里虎徹」、「長曽祢興里入道乕徹」「長曽禰興里入道乕徹」「住東叡山忍岡辺長曽禰虎入道」等があります。

長曽祢 興里 略歴