大樋長左衛門の作品買取・査定｜無料査定

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陶芸家大樋長左衛門（おおひちょうざえもん）

生没： 1666年-現在

大樋長左衛門は石川県金沢市が誇る江戸時代から続く楽焼を、現代でも受け継ぎ続けてる大樋家の当主です。

大樋家の作る大樋焼は、ろくろを使わず手で捻りながら成型し、へらを使い削りながら作り上げます。これは楽焼の流れを汲んでおり大樋焼と楽焼の特徴です。中でも大樋焼は飴色の釉薬を使うことで艶のある独特な輝きが魅力です。

「派手なものは、あっと驚くかもしれないが、無為のもので世間をあっと言わせるものは難しい。その点、茶碗を作ることも難しい。特に無地ものの大樋焼は派手さがない」「見どころの多い茶碗ならいいとか、世間ではいうが、そういう茶碗は、本当の茶碗じゃないと思う。無為で作って、頭の下がるほどの品位のある茶碗がいいということでしょう」　

これは大樋焼について9代目の大樋長左衛門が語った言葉で、シンプルなデザインとシンプルな色使いながら、輝きによって出る存在感で魅了する大樋焼の深みが感じられます。

大樋長左衛門略歴

1666年（寛文6年）	茶道裏千家4代仙叟宗室が加賀藩主5代前田綱紀の下へ茶道茶具奉行として仕官した。その際、楽家4代一入の弟子であった土師長左衛門を茶碗造り師として加賀へ同道させた。この時、河北郡大樋村に窯を開いたことが大樋焼の始まりとなる。初代の作品は仙叟宗室の指導を受けたこともあり、仙叟好みのものが多い。その結果、海老、渦、寿老人といったモチーフが多く、歴代の長左衛門がそれを引き継いでいくことになる。
1686年（貞享3年）	2代大樋長左衛門が初代大樋長左衛門の子として生まれる。 2代目の作品は初代の影響を色濃く受け継ぎ、似たものが多く、初代の作品との見極めが難しいこともある。
1712年（正徳2年）	初代大樋長左衛門死去。享年82歳。隠居後は芳土庵の号で作陶していた。
1728年（享保13年）	勘兵衛が2代大樋長左衛門の子として生まれる。後の3代大樋長左衛門となる。初代からの作風を受け継ぎつつも、より緻密な作りを得意とした。
1747年（延享4年）	2代大樋長左衛門死去。享年62歳。隠居後は芳土庵の号で作陶していた。
1758年（宝暦8年）	3代大樋長左衛門の子として勘兵衛が生まれる。後の4代目大樋長左衛門となる。初代の作風の復活を感じさせつつ、3代の影響を色濃く受け継いでいる。
1802年（享和2年）	3代大樋長左衛門死去。享年75歳。 8代藩主前田重煕、10代藩主前田重教、11代藩主前田治脩の御用窯として勤めた。