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洋画家福井良之助（ふくいりょうのすけ）

生没： 1923-1986

福井良之助は昭和後期に国内外で活躍した洋画・版画家です。
1923年に東京都に生まれた福井良之助は中学進学後に島野重行に師事し、東京美術学校工芸科鋳金部を卒業、2年後には研究科を修了しました。
1946年に第41回太平洋画会展に「みちのくの冬」を出展し、初入選にて一等賞を受賞し、1954年の第18回自由美術家協会展には「窓」を出品し佳作賞を受賞しております。
版画作品を展示した個展で高い評価を受けたことで活躍は国外にも広がり、1961年に日本国際美術展、翌年にニューヨークのウエイ画廊で個展を開催、またこの頃より現代日本美術展や東京国際版画ビエンナーレ展、リュブリアナ国際版画展に出品し、それらを主な出品場としていたことから、海外でもコレクターが多く、国内外でも高い評価を得ておりました。

福井良之助といえば孔版画が有名です。特殊な製版方法の為、一度に5～10部程度しか制作することができず、海外でも人気であった為ほとんどの作品は海外に流出してしまっております。10年ほど孔版画を制作した後に油彩画を制作し、風景画はもちろん人物画なども多く手がけます。
その独特のタッチには定評があり、特に女性を描く作品には良さが全面に表れ、情緒的なマチエールで彩られるセピア色に日本画の独特な繊細さが混合する画風が評価を高く得ていました。横顔の画家として知られる福井良之助はこの作品を通じ、数多くの人々を魅了し続けております。

福井良之助略歴

1923年	東京都に生まれる。
1936年	聖学院中学校に入学し、光風会会員であった島野重之に師事する。
1944年	東京美術学校工芸科鋳金部を卒業する。
1946年	第41回太平洋画会展で「みちのくの冬」が初入選し、一等賞を受賞する。
1954年	第18回自由美術展で「窓」が佳作賞を受賞する。
1959年	日本橋画廊で孔版版画による第1回個展を開きアメリカの画商らに認められる。
1961年	第6回日本国際美術展に出品する。
1962年	第5回現代日本美術展に出品する。
1963年	第7回日本国際美術展・リュブリアナ国際版画展に出品する。
1967年	国際形象展に招待出品する。
1985年	第9回長谷川仁記念賞を受賞する。
1986年	逝去。