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絵師酒井抱一（さかいほういつ）

生没： 1761-1829

みなさん「酒井抱一」という人物をご存知でしょうか？
「酒井抱一」は江戸琳派を代表する絵師で俳人の一人です。尾形光琳に私淑し琳派の雅な画風と俳味を取り入れた詩情ある洒脱な画風に翻弄したことでとても人気となり江戸時代琳派の祖となった人物なのです。

「酒井抱一」の人生は1761年に姫路藩主の酒井忠恭の孫として神田小川町にて誕生した事から始まります。
酒井抱一が生まれた酒井雅楽頭家は代々文雅の理解者が多かったことから幼いころから芸に親しんでいましたが37歳の時に西本願寺にて出家をしました。
その後、権大僧都となるもすぐに隠退し下谷根岸に雨華菴を営んで書画・俳諧に親しむ生活を送る事となります。
49歳の時には雨華菴にて谷文晁などの文化人と交流し見分や人脈を広めました。
酒井抱一の功績は多大で中でも有名なのが尾形光琳に私淑していたことで光琳の画風の再興に努めたことです。
1815年には光琳百回忌にちなみ光琳百図と尾形流略印図を作成。
1823年には乾山遺墨の刊行も致しました。

酒井抱一の画風は情緒的でありながら洒脱な画風をしています。
画業の始まりは狩野高信から狩野風を学んだことから始まり、琳派の装飾的な技法を受け継ぎつつ、宋紫石について沈南蘋の写生画風、歌川豊春から浮世絵、さらに土佐派・円山派の技法の習得、伊藤若冲の技法も積極的に取り入れる等の多数の技法を習得し酒井抱一独自のオリジナルでオンリーワンな洒脱で叙情的な作風を確立していきました。

酒井抱一略歴

1761年	姫路藩主である酒井忠恭の孫として神田小川町に生まれる。
1777年	この頃より、俳諧に親しみ風流の趣を身に付ける。
1797年	剃髪し、等覚院文詮暉真と称して権大僧都となる。
1815年	光琳百年忌の開催に伴い、光琳百図と尾形流略印譜を刊行する。
1783年	蜀山人らと狂歌を、馬場存義と俳諧、兄らと能の稽古と才能を示す。
1785年	当時評判の歌川豊春につき、浮世絵を本格的に学ぶ。
1805年	浅草近くに住むも、千束に戻るといった生活の中で画業を高めていく。
1823年	乾山遺墨を刊行。
1828年	雨華菴にて没する。墓地は築地本願寺。