曾我 蕭白は、江戸時代中期に活躍した絵師です。
独特で強烈な画風が特徴的で、「奇想の絵師」と呼ばれました。
彼に関する詳細な資料はほとんど残されておらず、その生涯は不明な点が多いです。
1730年に京都の商家に次男として生まれ、「高田敬輔」に師事したとされています。
両親と兄妹がいましたが、彼が11歳の時に兄が亡くなり、その3年後に父親、また3年後に母親が亡くなりました。
彼は、二十代~三十代にかけて伊勢や播州を巡りながら作品を制作しました。
大胆にデフォルメされ、荒々しく奇抜に描かれた作品はどこか妖しげな印象を与え、ある種の恐ろしさすら感じさせます。
このような作風は、当時から現代においてもなお、見た人が忘れられなくなるほどの衝撃を与え続けています。
代表作には『群仙図屏風』『旧永島家襖絵』などがあります。
辻 真砂は、女性画や風景画を中心とする洋画家です。
無所属のまま活動を続けており、定期的に個展を開催しています。
辻は1951年に大阪府で生まれました。
関西美術院に通い、卒業後は1976年~1980年までスペインに留学します。
1989年になると「真砂美塾」という画塾を開きます。
日本で育まれた「侘び寂び」などの情緒や、抽象性をもった写実を追求することを理念として掲げ、今も多くの作家が彼に技術を学んでいます。
その徹底されたリアリズムは、人や自然を美しく抒情的に表現し、光の動きや髪の質感、布の素材感、表情までをも繊細に描き切っています。
温かくも力強い女性の「生」を感じる彼の作風はとても魅力的です。
また、脆さや苦悩などといった要素も作品に散りばめ、上手くバランスを取っているようにも感じられます。
誰かの母であり子でもある、そんな彼女たちの背景に垣間見える物語を想像するのも、楽しみ方のひとつかもしれません。
北田 稔は1969年に埼玉県で生まれ、専門学校卒業後はアニメーターやデザイナーとして活躍していきます。後にイラストレーターとして独立し、展覧会の実施や、SNSを通じて作品や制作過程の様子を発信するなど、現在においても幅広く活動を続けております。
作品の共通するポイントとしましては、可愛らしい動物やキャラクターが柔らかなタッチ感で描かれており、和やかで心癒されるような印象を与える作風が特徴的です。主に猫や鳥などを万年筆で描いたり、水彩画でとても温かみのあるイラストを描くこともあります。
また、キャラクターたちが四季と共に描かれる作品も多く、作品と一心同体かのように季節感を味わえるのも魅力の一つとなります。
小早川 清は、美人画を得意とし、大正から昭和にかけて活躍した画家です。
現代的な女性像を描き、艶やかで上品な雰囲気を繊細に表現しました。小児麻痺の後遺症のため、左手一本で絵を描いたことで知られています。
小早川は、1899年に博多に生まれました。19歳で上京し、近代日本画の巨匠として知られる「鏑木清方」に師事し、美人画を学びます。
鏑木の開いた画塾で腕を磨き、1924年に開催された第5回帝展にて「長崎のお菊さん」を出品し、初入選を果たしました。
1927年頃には木版画の制作を始め、「近代時世粧」というシリーズを出版して表現の幅を広げていきました。芸者歌手の市丸を描いた「旗亭涼宵」が第14回帝展で新特選を受賞するなど、多くの功績を残しました。
その後も熱心に活動を続けていた小早川ですが、1948年に東京の自宅で脳溢血により亡くなります。
彼は数多くの作品を手掛け、特に昭和初期の作品は高く評価されました。
代表作には『長崎のお菊さん』『春琴』『蘭館婦女の図』などがあります。
坪内好子は、金箔を使った作風が特徴的な版画家です。
「時間の集積」をテーマにした幻想的な作品は高い評価を受け、国内外で個展が開催されています。
坪内は、1966年に東京に生まれました。女子美術大学では版画を専攻し、2005年から2年間スロバキアの美術アカデミーにて、版画家のデュシャン・カーライに師事しました。
全体に施される金箔と何層にも版が重ねられた作品からは、まさに時間の集積を感じます。
時間が存在しない夢の中にいるような、自由で壮大な雰囲気が魅力的です。
様々な版画の技法に手彩色を加え、世界観を豊かに表現しています。
彼女の作品は、ロサンゼルス・カウンティ美術館や黒部市美術館などに収蔵されています。
仙厓 義梵は、脱力感のあるユニークな禅画で知られる禅僧です。
1750年、仙厓は美濃(現在の岐阜県)に貧しい農民の子として生まれました。11歳で出家得度し、「仙厓義梵」の名を与えられます。
40歳で聖福寺の住職となり、62歳まで勤めました。寺院の再建や、弟子の育成に尽力し、隠居後は多くの絵画作品を制作しました。
仙厓は、上手い絵にこだわらず、ルールを定めず、自由に描くという意味の「厓画無法」をモットーとしていました。社会の常識や圧に屈しない、強い反骨精神を表した逸話が、数多く残されています。
仙厓が描く温かい作品には、人生の教訓や本質、禅の教えが込められています。時代を超えてもその本質は変わることなく、現代にも通ずる部分が多くあるのではないでしょうか。
代表作に『〇△▢』『犬図』『指月布袋画賛』などがあります。