吉田 千鶴子は、戦後の日本で活躍した女性版画家です。
日本初の女性版画団体「女流版画会」を結成し、男性中心の美術界における女性芸術家の地位向上に尽力しました。
吉田は、1924年に横浜で生まれ、東京で育ちました。
佐藤高等女学校(現・女子美術大学付属高等学校)油彩科を卒業後、版画家・北岡文雄に師事します。
その後、岡本太郎が主宰する「アヴァンギャルド芸術研究会」に参加したことをきっかけに、抽象的な作風へと変化していきました。
1953年には版画家の吉田穂高と結婚し、本格的に版画制作を始めます。
夫をはじめ、義兄の吉田遠志、義母の吉田富士夫、義父の吉田博といった芸術一家に嫁ぎ、その一員として活動する一方で、自身の作品も発表し続けました。後に娘の吉田亜詠美も芸術家として活躍しています。
彼女の作品の多くは自然を題材とし、生命のエネルギーを繊細に表現しています。
女性ならではの感性と柔らかな表現、美意識が息づく上品な作風は、今もなお多くの人々に愛されています。
孔 柏基は、敦煌の壁画から着想を得た独自の表現が印象的な画家です。
また、幸運を呼ぶタリズマニックアートの作家としても知られています。
彼は1932年に上海で生まれ、5歳の時に絵師について中国山水画を学びました。
20歳で版画の創作を始め、西洋絵画を目指して多くの展覧会に出展します。
数年後には美術学校で教鞭を執りつつ、人物肖像画の制作も行いました。
1966年~1976年の文化大革命では、「社会主義芸術の裏切り者」として批判され、作品や画材を焼却されたうえに下放となりました。
文化大革命の終結後に創作活動を再開し、1979年には敦煌莫高窟にこもって制作を重ねながら自身の作風を確立していきます。
その後も各地で個展を開き、1986年にニューヨークへ移りました。
以降、ニューヨークを拠点に活動を続け、日本でも高い評価を得ています。
彼の作品は、油彩を中心に内面的な世界を穏やかに表現しています。
菩薩などをモチーフにした神秘的な作品が多く、観る者を吸い込むような魅力があります。
代表作には『天恵』『宝珠』『祈り』などがあります。
古塔 つみは、愛知県出身のイラストレーター・現代アーティストです。
SNSで活動をスタートしたこともあり、10代~20代前半の女性に人気の作家と言われています。
「女子しか描けません。すてきな人しか描けません。」
と語り、若い女性をモチーフとした作品のみを制作しています。
あえてモチーフをしばり、様々なタッチで描くことで「色々な女の子がいる」
という多様性に着目しています。
音楽アーティストやブランドとのコラボ実績や展覧会の開催歴があり、現在はNFTアートにも着手しています。
ポップな色彩表現や描かれる女性の目力が特徴的で、彼女らの瞳には強い意志や怒りのような感情が込められているようです。若年層からの支持も、そういった描写の姿勢から発生したのかもしれません。
また、現代アーティストとしては、あえて大量生産に用いられる手法でユニークな作品(一点物の作品)を制作するなど、一般的に大量生産・大量消費されがちな「美少女イラスト」という文脈に対し一石を投じております。
古塔つみの作品は、消費されるだけにとどまらない現代の美人像と言って差し支えないのではないでしょうか。
KAGAYAは、プラネタリウム映像クリエイター、星空写真家、CG作家など多岐にわたって活躍しているアーティストです。
豊富な知識を活かした神秘的な空間表現が特徴で、世界各地で撮影した膨大な写真をもとに映像作品を制作し、その代表作『銀河鉄道の夜』は国内外100館以上で上映され、観客動員数100万人を超える大ヒットを記録しました。
彼の作品は、幻想的なデジタルペインティングや写真集としても発表され、教科書や展示会にも採用されるなど、教育や芸術の分野でも高く評価されています。また、天文普及活動の功績により、小惑星11949番に「kagayayutaka」と命名されました。
SNSでも星空の魅力を広く発信しており、私たちと宇宙の深い繋がりを感じさせてくれます。
今尾景年は、京都出身の日本画家で、花鳥画を得意としました。
初め梅川東居に浮世絵を学び、その後、鈴木百年に入門しました。
青年期は百年の影響もあり、南画風の絵柄が見られましたが、四条派の流れを受けて写生に根ざした緻密な描写と装飾性を併せ持つ作風を確立していきます。
1885年に奈良博覧会に出品した「余物百種の図」が一等金牌を受賞し、知名度を獲得することとなりました。
壮年期に画家としての成熟を迎え、久保田米僊や鈴木松年らと並び称されました。
景年は博覧会にも積極的に出品し、1900年のパリ万国博覧会で銀牌、1904年のセントルイス万国博覧会で金牌を受賞しています。
後年には帝室技芸員に任命され、公的にも高く評価されました。景年の花鳥画は国内外の美術館に収蔵され、今なお高い人気を保っています。