宮崎 次郎

宮崎次郎は1961年、埼玉県浦和市に生まれました。

1987年頃より中根寛に師事し、繊細な点描によるグラデーションの技術など節々に影響を感じることができます。

1996年~97年には文芸誌「新潮」の目次挿絵を担当、初の個展も開催しました。以降、現在に至るまで日本全国で個展を行っています。

1997年から約2年に渡って、文化庁が「将来の文化芸術振興を担う人材を育成する」ことを目的として行っている文化庁派遣芸術家在外研修員として渡仏しています。

2004年には初の画集となる「宮崎次郎画集 サウダード」を出版しました。
サウダードとはポルトガル語で郷愁、憧憬などの意味合いを持つ単語で、日本語には適訳が存在しません。
1993年頃より「リリシズムの画家展」にも出品していますが、この「リリシズム」も叙述詩的な趣や味わいを指す言葉で、サウダードと併せて宮崎次郎の絵を描く上での大きなテーマとなっています。

日没直後のような赤みの強い空にデフォルメのきいた人物画を多く描いており、寓話的な独特の世界観で「サウダード」を表現しています。

フランシスコ・マッセリア

フランシスコ・マッセリアは、アルゼンチン生まれの油彩画家です。

画家として活躍する前は、工業デザイナーとして活躍しており、
1962年、ローマに移住し、絵画創作に力を注いでいきます。その後、パリにもアトリエを構え、また、イギリスの陶磁器で有名なロイヤル・ドルトンの陶器絵付もしており、才能を大いに発揮しております。
ヨーロッパ各国、アメリカ、カナダなど、世界各地で展覧会を開催しており、
1991年には、日本でも初めての個展を開催しました。

作品の特徴としましては、少女や女性を描くことが多く、女性そのものを純粋な心で捉え、その思いが作品一つ一つ、顕著に表れていると思います。
表情や輪郭、髪など細かいタッチで描かれており、色使いは鮮やかな表面、フランシスコ・マッセリア独特の色彩も、観る人が惹かれる理由がすごく分かります。

田中 拓馬

田中拓馬は、1977年、東京都生まれの画家です。

幼少期から埼玉県で過ごし、埼玉県立浦和高等学校を卒業したのち弁護士を目指し早稲田大学法学部に進学しました。ですがその後2度司法試験で不合格になったことにより体調を崩し、リハビリの為絵を描き始めました。
馴染み深い浦和の路上で絵を売り始めたところこれが人気を博し、銀座でも絵の路上販売を開始しました。

絵を描き始めて半年で埼玉県展で入選、2年経たないうちに二科展入選など、多くの展覧会等にて入選・受賞していきます。

油彩を基本として、アクリル絵具や展色材など複数の画材を同じ画面に使用する技法が特徴的です。
代表的な作品・シリーズとして、黄色い体色にウサギのような耳を持つネコウサギというオリジナルキャラクターや、人間を寿司にしてネコウサギが食べてしまう「人間寿司」、骸骨のモチーフが大きく描かれた「SKALL」などがあります。

近年は上海やニューヨークを始めとして海外でも個展を多く開催しており、新進気鋭の若手作家として注目されています。

吉田 善彦

吉田善彦は、20世紀の正統派日本画を代表する巨匠です。

1912年の東京に呉服屋の次男として生まれ、17歳の頃から日本画家・速水御舟に弟子入りします。そこでは古典模写、デッサン、絵に対する心持ちなど多くのことを学び、生涯に渡り善彦を感化することとなりました。

1933年に師・御舟は急逝します。四年後の1937年、御舟の旧画室で描いた善彦の作品『もくれんの花』は、院展で初入選を果たすこととなりました。以降も幾度となく院展に出品し、入選をしております。
1940年からは法隆寺金堂壁画の模写事業に参加しており、戦後に至るまで仏画の模写作業に従事しました。

速水御舟が基本的に弟子をとらない方でしたので、吉田善彦は御舟の数少ない弟子として語られることが多いです。もちろん、古典の重要性を説いた御舟の教えはその画風に大きな影響を及ぼしていますが、一方で「吉田様式」と呼ばれる独自の画法も作り上げており、今日の評価につながっております。
「吉田様式」では、一度描いた絵に金箔のヴェールを被せ、その上にもう一度絵を描き起こします。そうすることで彩色の放つ光に鈍みを持たせ、伝統的日本画の持つ気品と荘厳さを際立たせました。
吉田善彦の日本画をご覧になる機会があれば、是非その表現に注目してみてください。

西村 功

西村功は1923年生まれ、大阪府出身の洋画家です。

1948年に帝国美術学校(現武蔵野美術大学)を卒業後、本格的に洋画家の道を進み始めます。
1950年代のはじめ、赤帽を題材にしたことを契機として、プラットホームや駅員、乗客などを描くようになりました。その後は二紀展や安井賞展で受賞を重ねます。
1970年に初めての渡欧を行い、題材の幅はパリの街並みや人々にも広がっていきました。1986年の二紀展では『シテ駅界隈』という作品を出品し、総理大臣賞を受賞しております。

複雑に塗り重ねられた色彩と線によるモチーフの造形が特徴的で、低い温度を感じさせる色彩感は、西村の目が映していた街や人々の情感を感じることができます。
構図としては写実性が重んじられていますが、独特ともいえる西村の色彩と線には彼の世界観が強く押し出され、いまだ多くのファンに愛されております。

油彩画の他水彩画も多く制作されており、油彩とはまた異なる表現の幅を楽しむこともできます。

小杉 小二郎

小杉小二郎は1944年生まれの画家です。

祖父に日本画家の小杉放庵、父に東洋美術研究者の小杉一雄、叔父に工業デザイナーの小杉二郎を持つ美術一家の生まれです。

叔父の影響を受け日本大学芸術学部工業デザイン科を卒業しますが、1968年より中川一政に師事し、画家の道へと転身しました。

1970年中川一政に伴いフランスへと渡り、パリで毎秋開催されているサロン・ドートンヌを始めとする名だたる展覧会に出品、以降毎年作品を展示しています。

主にパリを活動拠点としていますが、1974年には日本で初の個展を開催し、以降全国にて個展を開催しています。

主な画題は静物や風景で、デフォルメのきいた柔らかなシルエットと鮮やかかつ深みのある色使いが特徴的です。聖書をテーマとした作品群なども発表しており、ノアの箱舟やアダムとイブ等のテーマを氏ならではの色彩と画面構成で描いています。
1990年代頃からコラージュやオブジェの制作にも取り組むなど、絵画以外にも活動の幅を広げています。

大矢 亮

大矢亮は、名古屋出身の油彩画家です。 1974年に名古屋市で生まれ、6歳の時から絵画教室に通い、絵と共に過ごしてきました。 1998年に愛知県立芸術大学日本画科を卒業後、同年の院展にて初入選を果たします。2000年に大学 …

パブロ・ピカソ

パブロ・ピカソはフランスを拠点に活動した画家で、キュビズムの創始者です。 現代においてその名を聞かないことはないほどの有名画家であり、「20世紀最大の画家」と呼ばれています。 生涯に渡って芸術活動を行い、残した作品は油彩 …

遠藤 彰子

遠藤 彰子は日本の現代を代表とする洋画家の1人です。 1970年代から現在まで、自然や生命の循環をテーマに深い物語性を感じられる作品を多く発表しております。 1947年東京都中野区で生まれ、幼少の頃から絵に親しみをもって …

立川広己

立川広己は東京品川区に生まれ、武蔵野美術大学にて洋画を学びました。その後様々な展覧会に作品を出品し多くの賞を受賞しています。特に本人が画家人生の転機と言っているのが、かの一枚の檜会の「現代洋画精鋭選抜展記念大展」にて『古 …

堀江史郎

堀江史郎は日本の画家です。 油彩画、水彩画のどちらも描き、静物画・肖像画・人物画、他にも犬や猫の絵も得意とする非常に多彩なジャンルで活躍していらっしゃる方です。 堀江史郎は1957年東京に生まれます。 時代は高度経済成長 …

曽根 茂

曽根 茂は、油彩で風景画を描く写実画家です。 1971年生まれで 三重県菰野町(こものちょう)で生まれます。 小さい頃から写実画を描き続けており、個展などにも出展し、学生をしながら絵を描き続け、1996年に京都大学文学部 …

高野 三三男

高野三三男は1900年代の日本とフランスで活躍した画家です。 1922年に東京美術学校(現・東京藝術大学)洋画科に入学するも、1924年に起きた関東大震災にて被災。その復興の騒ぎで落ち着いて絵画の制作が出来ないことからフ …

野村 義照

野村義照は、大阪府生まれの日本画家です。 1971年に東京藝術大学大学院を卒業すると、前田青邨、その後は平山郁夫に師事し、日本画の技量を高めていきました。 1977年。院展で日本画大賞を受賞したその年、野村義照は初めての …

田中 善明

田中善明さんは、1946年横浜に生まれます。 東京を中心に春陽展・独立美術展・横浜市新人招待展と、数多く出展されています。 特徴は、落ち着きと華やかさを兼ね備えた色味とタッチです。 音楽を奏でる姿やお酒を楽しむ姿、など様 …

城 康夫

城康夫は、京都出身の油彩画家です。 国画会が運営する日本最大規模の公募展・国展において幾度も受賞されており、以後も国画会会員として長く活躍されました。 リアリズムに準拠した静物画を得意としており、もっぱら題材にされるのは …

長沼 貴美代

長沼 貴美代は画家としてデビューしてからの経歴は華々しく、1985年、150年以上の歴史を持つ美術団体ソシエテ・ナショナル・デ・ボザールが主催する現代アート展、サロン・デ・ボザール展で大賞を受賞し、同年、日展にも入選しま …

深澤 昭明

1937年山梨県甲府市に生まれる。 1961年 東京造形美術学校卒業後、1975年 日美展特選、1977年 日美展奨励賞、 新潮社賞と輝かしい成績を収めております。  1988年からはパリ、ムルロー工房にて版画制作を開始 …

楢原 健三

楢原 健三は東京都出身の洋画家であります。 1933年東京美術学校卒業後、翌年から9年間に渡り、図画教師を務め、戦後にはすぐに展覧会の出品を始め、数々の成績を収めております。 1980年に日本芸術院賞を受賞し、88年には …

山岸 正巳

山岸正巳は1929年に北海道の岩内で生まれます。 画家としては、バレリーナの少女などをモチーフとした人物画や、牡丹、薔薇などの静物画を得意とした作家です。 1952年に東京美術学校卒業し、学校卒業から彼の作品は注目を集め …

小向 貢嗣

小向貢嗣(こむかいみつぐ)は、青森県出身の画家です。 人物画と静物画を得意とした作家であり、特に人物画では老人を描いたものが多くあり、その写実的な画風が高い人気を誇っています。 静物画においては柘榴と葡萄を好んでいたよう …

中畑 艸人

中畑艸人は、和歌山県出身の油彩画家です。 18歳の頃から独学で絵画を始めた艸人は、早くも日本水彩画展で入選を果たし、才能の片鱗を見せていました。26歳で上京し、硲(はざま)伊之助に師事して油彩画を始めました。その後は一水 …

野間 仁根

愛媛県生まれの洋画家で、生涯に渡り海と釣りをこよなく愛した作家として知られ、海や森をテーマにした作品を多く描きました。原色で構成されている鮮やかな作風が特徴で、豪快なタッチと、鮮烈な色彩で大胆な配色が融合する作風が印象的 …