川島 睦郎

川島 睦郎(かわしま むつお)は、日本画家で、主に風景画・静物画・花鳥画を手がけ、近代~現代の日本画界で活動しています。

初期は 風景画 を主なモチーフとして描いていたが、次第に 静物画・花鳥画 に題材を移行していきました。

四季をテーマとする作品が多く、季節感・自然の移ろいを重視した表現がしばしば挙げられています。 後年は 花鳥画 を得意とし、「いのち讃歌」などのテーマで生命感・躍動感を表現する意図が語られることがあります。

日本画の伝統技法を丁寧に扱いつつ、題材・空間構成・色彩に独自性を織り込んでおり、一定の芸術的評価を得ています。

亀井 至一

亀井 至一は江戸時代末期から明治時代の石版・木版画家です。

初め、国沢新九郎と横山松三郎に師事して石版と油絵を学びました。その後、第1回内国勧業博覧会に「上野徳川氏家廟之図」を、第2回内国勧業博覧会にも作品を出品、第3回内国勧業博覧会には「美人弾琴図」を出品し、知名度を上げました。

木版画も作製していましたが、後に玄々堂印刷所に入って石版画を学びました。代表作に「日光名所」、「東海道名所」などが挙げられる他、蜷川式胤の「観古図説」などが知られています。また、矢野竜渓の政治小説『経国美談』の挿絵、東海散士の政治小説『佳人之奇遇』の挿絵などの出版文化に影響を与えました。

海野 美盛

海野 美盛は、1864年生まれの彫金家・日本画家です。
水戸派の金工家・初代 海野美盛の弟子である海野盛寿の子として、江戸下谷に生まれました。

一塊の材料から像全体を立体的に彫り出す「丸彫」の人物や動物を得意とし、緻密な細工と美しい彩色が特徴です。また、日本画を酒井道一河鍋暁斎今尾景年に学んでいます。西洋彫刻も学び、それらを自身の作品に活かしました。

海野は、鋳金を基盤に写実的な彫技を展開し、モチーフを生き生きと表現しました。多彩な才能で近代工芸美術の発展に寄与した名匠として長く愛され続けています。

山科 理絵

山科 理絵は、1977年千葉県出身の日本画家です。

2003年に武蔵野美術大学造形学部日本画科を卒業後、2008年の東京コンテンポラリーアートフェア2008に参加して以来、様々な個展の開催や展覧会・アートフェアに参加しており、アートフェア2013やART-TAINAN2016といった国内外を問わず活躍しています。また、京極夏彦の絵本『ことりぞ』の絵など本の挿絵を担当していることでも知られます。

作風は、平面的な日本画の様式ですが現代的な装飾が魅力的な作品が多いです。特に女性をモチーフとした作品は「能」との親和性を評価されており、人気が高いです。

今尾 景年

今尾景年は、京都出身の日本画家で、花鳥画を得意としました。

初め梅川東居に浮世絵を学び、その後、鈴木百年に入門しました。
青年期は百年の影響もあり、南画風の絵柄が見られましたが、四条派の流れを受けて写生に根ざした緻密な描写と装飾性を併せ持つ作風を確立していきます。

1885年に奈良博覧会に出品した「余物百種の図」が一等金牌を受賞し、知名度を獲得することとなりました。
壮年期に画家としての成熟を迎え、久保田米僊鈴木松年らと並び称されました。

景年は博覧会にも積極的に出品し、1900年のパリ万国博覧会で銀牌、1904年のセントルイス万国博覧会で金牌を受賞しています。
後年には帝室技芸員に任命され、公的にも高く評価されました。景年の花鳥画は国内外の美術館に収蔵され、今なお高い人気を保っています。

山元 春挙

山元 春挙は、京都を拠点に活躍した円山・四条派の日本画家です。
「春挙ブルー」と呼ばれる鮮やかな青の表現でも知られています。

春挙は1872年に滋賀県膳所町で生まれ、野村文挙森寛斎に師事しました。
京都で活動を始めると早くから頭角を現し、博覧会や展覧会で入選を重ねます。

春挙は風景画を得意とし、写生を基盤に雄大な自然を力強く描きました。
さらに写真を構図に応用するなど、当時としては新しい表現を取り入れ、明治後期から大正期にかけては京都画壇の重鎮となり、竹内栖鳳と並び称されます。

1919年には帝室技芸員に任命され、自身の画塾「早苗会」を主宰し、西山翠嶂堂本印象など多くの門弟を育てました。その後は、琵琶湖畔に別邸「蘆花浅水荘」を構えて制作を続け、1933年に亡くなります。

春挙の伝統と革新を併せ持つ画風は、後進への指導を通じて近代日本画の発展に大きな足跡を残しました。

代表作には『法塵一掃』『山上楽園』『奥山の春』などがあります。

橋口 五葉

橋口 五葉は、明治末から大正期にかけて活躍した装幀家・版画家です。 1881年、鹿児島県にて薩摩藩藩医で漢方医を務めた士族・橋口兼満の三男として生まれました。 幼少期から絵に強い関心を示し、はじめは狩野派の絵を学びます。 …

野々内 良樹

野々内良樹(ののうち よしき)は日本画、特に花鳥画を得意とし、日展会員として幅広く活躍した作家です。  父は日本画家の 野々内保太郎、次男の井上稔・三男の野々内宏も画家として活躍した、日本画の伝統を受け継ぐ芸術一家です。 …

俵屋 宗達

俵屋 宗達は、江戸時代初期の京都で活躍した絵師です。 彼の生涯は謎に包まれており、交流のあった文化人の情報などから、1570年前後に生まれたと考えられています。 宗達は、金箔や銀箔を用いた装飾性の高い華やかな作風で知られ …

倉田 冨美

倉田 冨美は、1937年に京都で生まれた日本画家です。 日本画家の丸山石根に師事し、日輝展では金賞2回、特選1回を受賞しています。 人物画を得意とし、舞妓を題材に多数の作品を手掛けました。 舞妓は15歳~20歳頃の芸子見 …

あいはら 友子

あいはら 友子(旧芸名:原田真弓・相原友子)は、女優・画家として知られています。 1954年に兵庫県に生まれた彼女は、勉強もスポーツも苦手な子供でした。 しかし、小学3年生の頃にあった交通事故をきっかけに、様々な分野で才 …

濱田 観

濱田観は、花鳥画を中心に活躍した兵庫・姫路生まれの日本画家です。繊細な筆致と淡い色彩で自然の美しさを表現しました。 大阪で洋画を学びつつ商業デザインにも携わる中、1929年に竹内栖鳳に師事。1933年、京都市立絵画専門学 …

鈴木 強

鈴木 強は、現代の琳派を代表する日本画家のひとりとして知られています。 『笑う動物シリーズ』で人気を博しました。 金銀箔が施された華やかな背景と、長谷川等伯や伊藤若冲などをオマージュしたモチーフが特徴的です。 『笑うカバ …

小早川 清

小早川 清は、美人画を得意とし、大正から昭和にかけて活躍した画家です。 現代的な女性像を描き、艶やかで上品な雰囲気を繊細に表現しました。小児麻痺の後遺症のため、左手一本で絵を描いたことで知られています。 小早川は、189 …

上田勝也

1944年に京都府で生まれ、1968年には東京藝術大学を卒業します。その後、髙山辰雄に師事し技術を高め、数々の作品で賞を受賞します。 また、国内で個展も開催し、九州産業大学大学院芸術研究科教授に就任や講演会を行うなど、多 …

浜田 泰介

浜田泰介(はまだ たいすけ)は、愛媛県宇和島市出身の日本画家です。 彼は、色彩や形態を駆使して、視覚的なインパクトを強調する作品を制作しており、日本画という枠に囚われない独自のスタイルを確立しています。 早期は抽象画家と …

齋藤 満栄

齋藤満栄は、新潟県出身の日本画家です。   多摩美術大学日本画科(横山操教室)を卒業し、翌年の1973年には文化庁現代美術選抜展で文部大臣賞を受賞しました。 そののち、堅山南風の内弟子となり、1979年には院展 …

吉田 遠志

吉田遠志(1911年 – 1995年)は、東京都文京区に生まれた木版画家・画家です。 父である吉田博から油彩画の技術を学んだ後、海外に渡り、主に野生動物を題材とした作品を制作しました。その活動の中で、動物絵本 …

人見 友紀

人見友紀は、1940年に生まれ、1999年に亡くなった画家です。 日本や海外の自然風景を描いた油彩画を多く手がけました。   また、「逃亡作家」としても知られています。1972年から1973年にかけて発生した美 …

清水 規

清水規は、1962年生まれの現代日本画家です。     特に日本の自然や伝統的な風景を描いた作品で広く知られています。1962年に生まれ、東京の創形美術学校を卒業後、絵画保存研究所に勤務していました。そこで、横山大観など …

山本 紅雲

山本紅雲は、兵庫県伊丹市出身の日本画家です。   京都市立絵画専門学校(現・京都市立芸術大学)で学び、日本画の大家である竹内栖鳳に師事しました。その作品は、繊細な筆使いと豊かな色彩表現で高く評価されています。 …

渡辺 省亭

渡辺省亭(せいてい)は、明治から大正時代にかけて活躍した日本画家で、特に花鳥画で名を馳せました。     16歳のときに歴史画家の菊池容斎に師事し、写生を重視した絵画技術を磨き上げました。1878年のパリ万博では、工芸品 …

狩野 芳崖

狩野芳崖は、江戸時代末期から明治時代初期にかけて活躍した日本画家です。 狩野派の伝統を受け継ぎつつ、近代的な絵画技法を積極的に取り入れたことで知られています。   彼は、西洋画の技法を日本画に融合させることによ …

狩野 正信

狩野正信は、室町時代後期の絵師です。 狩野派の創始者として、日本の絵画史において重要な位置を占めています。   正信は京都で生まれ、仏教や神道に関わる絵を手掛ける家系に育ちました。正信の絵は、写実的な技法と華や …

狩野 永徳

狩野永徳は、安土桃山時代を代表する絵師であり、狩野派の最も重要な画家として広く知られています。   狩野派は、室町時代後期に創設され、特に戦国時代から江戸時代にかけて、豊富な絵画依頼を受けて華やかな装飾画を数多 …