堀江史郎は日本の画家です。
油彩画、水彩画のどちらも描き、静物画・肖像画・人物画、他にも犬や猫の絵も得意とする非常に多彩なジャンルで活躍していらっしゃる方です。
堀江史郎は1957年東京に生まれます。
時代は高度経済成長期です。多感な青少年期は日本が発展していく様子を肌で感じていたことでしょう。
1979年に朝の会グランプリを受賞しそこからは画家として本格的に活動していき大阪、銀座を中心に各地のデパートで個展を開催していきます。
飼っていた犬や猫と過ごすうちに、写真ではなく絵を描こうと考え、デッサンや油彩、水彩まで手を広げて描いていくことで犬と猫を自身のレパートリーに加えることになります。
評価としては特に静物画、薔薇等の絵が高いです。
堀江史郎の描く花は、色と光がハッキリしており周りに存在する家具も精巧に描かれており、花の美しさが際立っています。
犬や猫の絵は毛並みや瞳の愛らしさを強く感じる動物本来の可愛らしさを写実的に表現しており高い人気がある方です。
柳下 季器は1967年東京都で生まれます。
専門学校桑沢デザイン研究所卒業後、信楽にて修業し、2002年に伊賀焼の里、
三重県伊賀市に穴窯を自身で築窯、神田窯を開窯します。
2007年には、格調の高い作品、見る人を圧倒させる陶芸作家・杉本貞光先生に薫陶を受けます。
天然素材を用いて、信楽・伊賀・志野・織部などの多彩な作品を制作し、侘び寂びの世界を表現しております。
柳下 季器の作品の特徴として、芯や品格を感じさせ、自身で研究した土を存分に生かした、静かながら存在感がしっかりとある、そんな作風が魅力です。
2004年の初個展を皮切りに、全国各地の百貨店にて個展を開催しており、これからの活躍も楽しみな現代の陶芸家の1人でございます。
墨は書道具においてなくてはならない存在ですが、墨の歴史は文字の歴史といっても過言ではありません。
日本に文字が伝来した年代と墨が伝来した年代は同じだと言われていますが、伝来した元の中国での墨の歴史は遥かに長く、紀元前1500年前の殷王朝が始まりと言われています。漢の時代になると固形のものが現れ「松煙」「石墨」に膠(にかわ)や香料も使われていたと言われます。また、油を燃やして採煙した煤を使用した「油煙」は唐や宋の時代に登場したと言われますがはっきりとしていません。
中国の墨のことを「唐墨」と呼びますが唐墨の製墨家が数多く台頭した文化大革命の頃の墨は非常に珍重されており、墨はできたてでは粘り気があり色も弱いことが多く20年から100年にかけてが使い頃だと言われる為文革前の墨はまさにその時期に当たることも人気の所以となっています。
唐墨以外では、漢字だけでなくひらがなも用いる日本の墨はより繊細な動きが求められる為独自に発展していきました。
日本の墨(和墨)は唐墨に比べて膠の比率が低いものの粘り気の強い物が使われており、墨のおりが早く、強い黒が出せるようになっています。そうした背景には日本と中国とで水質も違う事も挙げられ、唐墨も軟水と硬水で擦るのでは色味が違うといわれます。
また、湿度の高い日本で独自に発展した和墨はひび割れしにくく保存がきくことから書家からも重宝されています。
井堂雅夫は20世紀後半より活躍した木版画家、そしてアクリル絵画家です。
雅夫は盛岡で育ち、15歳の時に京都に移住します。そこで伝統と技が創る美の世界と出会い、工芸作家を志すようになりました。
京都で染色技法を研鑽していた井堂雅夫が木版画制作をはじめたのは1972年、27歳の時です。木版画家・斎藤清の作品に影響されてのことでした。
そしてわずか一年後には、日本版画協会、日動版画グランプリで入選を果たすなど、その才覚を顕していきます。雅夫は、「IDO GREEN」と呼ばれる独自の色使いを持って、多色摺り木版画として多くの風景画を制作しました。
雅夫の作品は木版画のみにはあらず、肉筆画、それもアクリル絵の具を用いた作品を多く描いています。木版画に比べ、肉筆らしい伸びやかな線で描かれ、また風景画だけではなく抽象画も描かれていました。わびさびを感じさせる木版画とはまた異なり、生命力の溢れるような世界を見せてくれます。
立石春美は、1908年に佐賀県生まれの画家です。
1927年に上京し洋画家の梶原貫五の紹介により鏑木清方に入門を願うがかなわず、1928年に深水画塾に入り、伊東深水に師事、洋画から路線を変更して日本画を学びます。
師である伊東深水と同じく、美人画を描いた立石はその腕前は他の門下生を驚かせたことから、才能に溢れた人物であったと思われます。
そして作品としては美人画が高い評価を得ています。1931年の『淑女』での帝展入選し以後帝展、新文展に出品し、戦後は日展を中心に制作発表を行い、同21年の第1回日展に『年寄』で特選を受け、同26年の第7回日展では『山荘の朝』で特選、朝倉賞を受賞しました。この事から昭和から平成初期にかけて美人画を描き活躍し上品、静謐、清澄と称えられ数多くの賞を受賞しました。
また故郷である佐賀や福岡の伝統文化にも深い関心を持っておりました。
地元の着物をきた美人画や陶磁器の職人を描くなど多くの作品を残していらっしゃいます。美人画や人物を描き続け今なお世界的に人気の作家です。
曽根 茂は、油彩で風景画を描く写実画家です。
1971年生まれで 三重県菰野町(こものちょう)で生まれます。
小さい頃から写実画を描き続けており、個展などにも出展し、学生をしながら絵を描き続け、1996年に京都大学文学部史学科考古学専攻を卒業します。
卒業してからも個展や展覧会への出品を続け、現在も風景画家として活動されております。
曽根茂は描く作品の現地の写真を撮り、取材を重ね、そこから自分の感じた感覚(ありのまま)を交えて風景作品を描くそうですが、実際に曽根茂の作品を見ていると、写真よりも鮮明に空気感や光の感覚、風の心地よさや香りまでも作品からあふれてくるような。
そんな不思議な感覚になりました。
もしかすると、そういった曽根茂のありのままの感覚が交わる事で、見た者が作品自体に懐かしさを感じ、引き込まれる理由なのかもしれません。