鈴木 那奈

鈴木那奈(すずき なな)は、日本の洋画家です。京都芸術大学(旧・京都造形芸術大学)にて学び、大学院でも洋画を専攻しました。

繊細な筆致と色彩で、女性の内面性を静かに描く詩的な世界観が特徴です。

女性をモデルに、現代を生きる女性の「しなやかな美」や「孤独」を描く視線がを大切にし、油彩で多色を混合して独自のモノトーンの色調を作り出す手法を採用しています。
また、花のモチーフも多く扱っております。

展覧会「光ゆれる」では、自然光にこだわりながら、少女の内面に揺れる繊細な感情や希望、喜びと悲しみ、光と影といったテーマを約30点の油彩作品で表現しました。

河野 道一

河野道一(こうの みちひと)は、山梨県甲府市を拠点とする現代の名工であり、甲州水晶貴石細工の第一人者として知られています。

1939年生まれ。昭和33年(1958年)から家業である河野水晶美術に従事し、昭和44年には職業訓練指導員としても活動を開始しました。平成3年(1991年)に伝統工芸士に認定され、平成22年(2010年)には山梨県政功労者として表彰されました。

日本伝統工芸展や伝統工芸新作展、伝統工芸七部会展などに20回以上入選し、山梨県水晶美術彫刻新作展では49回の受賞歴を持ちます。

彼の作品は、動物や人物、香炉、茶碗など多岐にわたり、原石の「なりたがっている姿」を引き出すことを重視しています。特に、瑪瑙を用いた茶碗などはその精緻さで高く評価されています。

使用する工具にはダイヤモンド工具をはじめ、木製の研磨材などを駆使し、研磨剤を塗りながら高速で回転する機械で削る技術は、五感を駆使した高度な職人技を要します。

永島福太郎

永島福太郎(ながしま ふくたろう)は、日本の著名な歴史学者で、特に中世日本の都市史や茶道史、奈良地域の歴史研究において重要な業績を残します。

古美術・茶道具に関する多数の著作を執筆し、特に『天王寺屋会記』の編纂・刊行で知られ、茶会記・道具の記録の保存に大きく貢献しました。

収集家・目利きとしても一流とされ、当時の茶人や蒐集家との交流も活発でした。

中世都市の社会構造や茶文化研究によって日本歴史学と文化研究の基盤を築いた一人で、単なる学問的探究にとどまらず、地域文化への深い理解と普及意識に貢献し、多くの後進に影響を与え続ける歴史学者です。

野々内 良樹

野々内良樹(ののうち よしき)は日本画、特に花鳥画を得意とし、日展会員として幅広く活躍した作家です。 

父は日本画家の 野々内保太郎、次男の井上稔・三男の野々内宏も画家として活躍した、日本画の伝統を受け継ぐ芸術一家です。

花鳥画や小禽(小さな鳥)を多く描いたことで知られ、柔らかで上品な筆致と写実性の高い自然観察眼が特徴です。

自然への観察を深く反映した色彩感覚と表現力が高く、日展での受賞と審査・委嘱歴外務省買い上げなど国内で高い評価を獲得し、京都伝統の花鳥画を現代に伴う優雅で透明感あるスタイルに昇華しました。

さらに自身も審査員・指導的立場に立ち、多くの回顧展や美術館所蔵を通じて、後世にその画業を伝えています。

菅野矢一

菅野矢一(すがの やいち)は、山形出身の洋画家で、日本芸術院会員。初期は人物画を多く描いたものの、後に風景画へと主題を変え、海や山などの大自然を鮮明な色面で表現する“清新な画風”で知られています

人物画から大自然の風景へと描き方を深化させた彼は、日本の洋画界において色彩と空間表現の新境地を切り拓いた存在です。

海・山など広大な風景を、色面(面としての色調)を明快に描く「清新な画風」が特徴で、晩年には「奥の細道」シリーズにも取り組みました。

旅や四季の移ろいを受け止めた画風は、現在でも多くの美術館で愛され、鑑賞者に清々しさと静謐を与えています。

木村 泰典

日本を代表する江戸切子職人の一人であり、木村氏が手掛ける品物は、透明感の高いクリスタルガラスを使用し、更にそこに高い技術力を必要とする「菊籠目紋」「菊繋ぎ紋」を重ねて表現されているのが特徴的です。

江戸切子職人の父から誘われて仕事を手伝うことをきっかけにこの世界に入った木村氏ですが、当時は継ぐことを考えていなかったそうです。しかし、続けているうちに江戸切子の世界に魅了されていき、今現在は全国各地の高島屋で「手造り硝子展」を開催するなど、活躍の幅を広げております。

また、1992年には東京都伝統工芸士に認定されており、その技術は確かなものとして都知事より認定を受けています。 

守口 源次郎

守口氏は滋賀県長浜市に伝わる郷土人形「おぼこ人形」の伝統工芸士であり、現代において数少ない専門職人の一人です。 有職御雛京人形司松屋から出されている作品が多く、共通している点として、凛とした表情の中に伝統的な顔立ちが見え …

前川 泰山

前川 泰山は珊瑚彫刻界を代表する作家です。 革新的な彫刻技術を取り入れ、従来の日本の珊瑚彫刻の伝統を覆す作品スタイルが注目されました。特に「寄木彫り」と呼ばれる手法(複数の珊瑚を組み合わせて立体表現をする技術)を開発し、 …

内島 市平

青鳳(せいほう)としても名が知られている内島市平は、彫金家として今現在でも注目度が高い作家です。 1881年富山県高岡市出身の内島市平は、細川松次郎氏に彫金術を学び日展に何度も入選を果たし、若くしてその名を知られるように …

岡崎雪声

岡崎雪声は、京都府伏見区で釜師・岡崎貞甫の子として生まれました。本名は庄次郎です。大阪で釜師の修業を積んだ後、21歳で上京し、鋳金家の鈴木政吉に師事しました。 明治22年(1889年)には、その年のパリ万国博覧会に出品し …

引間 二郎

引間二郎は北海道八雲町出身で、元々は農家として従事していましたが、不慮の交通事故により熊彫師に転向します。 「八雲」とは、熊彫発祥の地とも言われている八雲町からきています。1931年頃から品評会で評価の高かった木彫りの熊 …

大木 平蔵

大木平蔵(おおき へいぞう)は、京都・丸平大木人形店の伝統的な当主が襲名する名跡であり、明和年間から続く老舗京人形司における最高峰の人形作家です。 明和年間(約250年前)に創業され、現在も七代目まで続く伝統の技術と美意 …

北野 明信

北野 明信(きたの あきのぶ)は、大阪市出身で1959年生まれの洋画家です。1987年に市展、1989年に県展に入選し、1991年には大阪で初の個展を開催しました。その後も個展やグループ展を多数開催し、フランス・パリの国 …

清課堂

清課堂(せいかどう)は、1838年(天保9年)に京都で創業した老舗の金属工芸工房です。 創業以来、錫(すず)を中心に銀や銅などの金属を用いた工芸品を製作しており、神社仏閣の荘厳品や宮中の御用達品、煎茶道具など、伝統的な品 …

牧野 宗則

牧野宗則は、1940年に静岡県静岡市で生まれた木版画家です。伝統的な浮世絵の技術と、現代的な創作木版画の精神を融合させた、独自の美の世界を築いてきました。 彼の作品は、日本の自然や四季の移ろいをテーマにしたものが多く、月 …

田中 暢枝

1934年山口県出身の田中暢枝は、加藤龍雄に師事し伝統工芸品である創作こけしの制作を開始します。 作品1点に対する製作技量と表情や色の表現力が圧倒的で、衣類を身に着けている作品は細密なデザイン力がより高く、製作されるサイ …

片岡 鶴太郎

東京都出身の片岡鶴太郎は、俳優・タレント・声優など多方面で活躍する一方、画家・書家としての顔も持ち、文化人としても幅広い活動を続けています。 そんな片岡が画家として活動を始めたのは1990年代のこと。きっかけは、早朝に見 …

北村 辰夫(辰吉)

1952年に石川県輪島市で誕生した北村辰吉は、1973年頃に輪島漆器の製作を行うようになると、現代の技法に限らず古典の技法の研究も行い、技術力の向上を図りました。1985年には北村工房を設立し、着実に活躍の幅を広げていき …

TSUGE (柘製作所) 

高級ハンドパイプを制作・販売を行っている、日本を代表する喫煙具ブランドの一つとして近年注目度が高まってます。 柘製作所は、1936年に柘恭一郎によって創業されました。 元々は幼少期に象牙のシガレットホルダーの製作している …