織田廣喜 『並木の風景(チュイルリー公園)』

織田廣喜は、帽子を被った少女やヨーロッパの風景を多く描きました。

本作には、チュイルリー公園（パリ最古の公園）を訪れる女性達の様子が描かれています。

チュイルリー公園は、ルーブル美術館、セーヌ川、シャンゼリゼ通りなど有名なスポットに囲まれた場所に位置しています。

女性達は、こちらを向いておらず自然な姿が描かれています。彼女らの装いからは、地元民というより、観光の合間に一息ついているような雰囲気を感じます。

織田は「いい意味で、うそをついた絵のほうがいい。キャンパスの上では自由」、「題材そのものを見て描いてもつまらない。石ころを見ても天井を見てもモデルに見えるように想像力を働かせ、その物に在る魂を描きたい」と語りました。

織田の作品は、哀愁漂うものから美しい風景を繊細に描いたものまで幅広く、彼の目にだけ映る姿や景色があったのではないか、と想像する楽しみも与えてくれます。

本作は6号サイズの油彩画であること、絵の保存状態や直筆サイン入りであることなどを考慮して、上記の査定結果となっています。