黒田正玄は、千家十職の一つで、竹細工や柄杓を専門とする家系が代々襲名する名称です。
当代は十四代目で、1967年に京都で生まれ、2014年に襲名しています。
本作は「棗」の作品となり、抹茶を入れるのに使用される茶器です。
専用の箱には、茶道裏千家十五代・鵬雲斎の書付がありました。
蓋に装飾された円が重なるような模様は「つぼつぼ」と呼ばれます。
千利休より連なる茶道の御三家「表千家」「裏千家」「武者小路千家」でそれぞれ円の組み方が異なっており、本作は鵬雲斎の好み物でもあるので「裏千家」の組み方となっております。
人気の棗作品であり、高名な茶人の書付があったこと、また保存状態が良かったことを考慮しましてこちらの評価とさせていただきました。