黒田正玄(くろだ しょうげん)は、千家十職の一つで、竹細工や柄杓(ひしゃく)を専門とする家系が代々襲名する名称です。
初代は越前国黒田荘出身の武士で、関ヶ原の戦い後に大津で竹細工職人となり、小堀遠州の推挙で江戸幕府の御用達柄杓師となりました。現在の当主は十四代目で、2014年に襲名しています。
本作は茶道で用いられる「蓋置」の作品であり、釜の蓋をのせたり柄杓を引く際に用います。白竹の切り口が美しく、素材ありのままの魅力が引き出された作品です。
専用の箱には、茶道裏千家十四代・淡々斎の書付がございました。高名な茶人の書付があると、お品物の人気は高まります。
今回は作品や箱に目立つ傷等が見受けられなかったこと、また上記の理由を加味しましてこちらの評価とさせていただきました。