宋紫石 『雪中梅花図』

宋紫石は、江戸時代中期に活躍した南蘋派の花鳥画家です。

中国清代の画家・沈南蘋(しん なんびん)は、1731年に日本に訪れ、約二年の間長崎に滞在しました。その間に伝えれた花鳥画技法を、弟子の熊代熊斐(くましろ ゆうひ)が「南蘋派」として形成し、後世の南宋画に大きな影響を与えました。

本作の作家・宋紫石(そう しせき)は、熊代熊斐に画法を学んだ一人であり、江戸で「南蘋派」の画風を普及させた画家として知名度を得ております。

写実性に優れ、南蘋派の画風ながらより日本人好みな発展を遂げた宋紫石の特徴は、本作でもよく表れております。
湖畔の雪景図ですが、枝には梅の花が咲き始めており、そこに集う鳥達からは愛らしくも生命力を感じます。

今回はモチーフの他、箱と共に樹生大欲保管されていたことも考慮しましてこちらの評価とさせていただきました。