本作は唐津焼の水指作品となります。
水指は、茶席で用いる茶碗を洗うための水を供給する茶道具です。
唐津焼は、16世紀から佐賀県唐津市を中心に作られる陶器で、素朴で力強い風合いが特徴です。茶道具としても評価が高く、「一楽二萩三唐津」と称されます。
現在、市内には約70の窯元が存在し、多彩な作品が生み出されています。
実に桃山時代からの歴史を持つ焼物であり、本作も「古唐津」に分類される時代ある作品です。
本作には箱が付随しており、その箱には即中斎の書付がございました。
即中斎は千利休から連なる茶道表千家の十三代目家元にあたる人物です。書付には、その即中斎が認めた逸品というニュアンスが付随します。
時代性と高名な茶人の書付がある点を考慮しまして、こちらの評価とさせていただきました。