サルバドール・ダリ 『花と象』

サルバドール・ダリは、スペイン・カタルーニャ州フィゲラス出身の画家で、シュルレアリスム（超現実主義）の代表的な作家として知られています。
特に「柔らかい時計」は代表的な作品で、夢や無意識の世界を表現し、20世紀美術に多大な影響を与えました。
また、絵画だけでなく彫刻や版画、映画制作など多岐にわたる表現活動を行い、奇抜な言動や独特の風貌でも注目を集めたことでも有名です。

今作は花を象の姿として描いた、いかにもなシュルレアリスムの雰囲気が感じられる作品となっています。
彼の作品には花を題材にしたものも多く、例えば、1948年に制作された「花（Fleurs）」は、ダリらしい幻想的な花のイメージを描いた作品で有名です。

ダリの花をテーマにした作品の多くは、彼の特徴であるシュルレアリスム的な世界観を色濃く反映しており、幻想的で夢幻的な美しさがあります。

今作もまた、ツルがまるで象の鼻の様に描かれ、植物を模したクリーチャーのように躍動感を持っています。花びらなどの一点だけを見ると単なる植物のように思えますが、全体で見ると違った風に見えるというのは、ダリの作風が持つ面白さや不可思議さだと言えます。

今回は絵が黄色している点と額に小傷などが見受けられた点で、こちらの評価となっております。