安西水丸 『マトリョーシカと皿』

安西水丸は、東京都出身のイラストレーターであり作家です。

日本大学芸術学部を卒業後、電通やニューヨークのデザイン会社、平凡社でアートディレクターを経験しました。1981年に独立し、広告や雑誌、書籍の装丁など幅広い分野で活動を展開しました。彼の作品は、シンプルさとユーモアを兼ね備えつつ、鋭い視点を持つのが特徴です。またイラストのみならず、小説、漫画、絵本、エッセイ、広告など幅広い分野で活躍しました。

本作は、シンプルな背景に歪んだ皿や散乱したマトリョーシカなど、独特なモチーフが特徴的です。一見するとラフで気まぐれなように見えるその表現は、実際には計算されたスタイルであり、シュールな魅力を放っています。この質素ながらも印象的な絵柄は、効率よくクオリティの高い作品を生み出すために工夫された、彼ならではの独自性の現れといえます。

今回はシルクスクリーン版画作品であり、状態が良好であること、作家の中でも人気のモチーフであることからこのような評価となりました。