クリフトン・カーフ 『Umbrellas in Gion 』

クリフトン・カーフはアメリカの版画家です。

家族全員が筆を執る画家一家に生まれ、カーフも幼少のころから絵に興味を持っていました。18歳の時に軍人画家として長崎の佐世保に訪れた際に、アメリカとは違う日本の文化・風習・風景に惹かれます。一度は帰国しますが日本への興味は尽きず、28歳の時に宣教師として日本に再来日します。最初は滋賀に住み、数年後に京都また数年後に岐阜、晩年は石川県金沢で過ごしました。

カーフの版画は描画・彫り・摺りを一人で行う創作版画と呼ばれるもので、複製を目的とした一般的な版画に比べ芸術性が高いと評価されています。『Umbrellas in Gion 』では京都・祇園の一角が描かれており、独特で大胆な色使いと細く繊細な線に作家の特徴が表れています。

クリフトン・カーフは摺り終わった版木を処分してしまうため、新しく作品を摺ることが出来ません。作者の人気と作品の希少性を考慮しこのような評価となりました。