今回ご紹介させていただくお品物は、金城次郎『魚海老文花瓶』になります。
まず初めに金城次郎についてご紹介させていただきます。
金城次郎は1911年、沖縄県那覇市に生まれました。14歳の頃、新垣榮徳に弟子入りし、そこで生涯の師である濱田庄司と知り合いました。
戦時中は琉球の窯場である壺屋で碍子などの軍需品の製造に携わりました。戦後は国画会など複数の展覧会で入選し、壺屋焼の復興と発展に大きく貢献しました。
1985年には「琉球陶器」無形文化財技能保持者に認定されました。
今回お譲り頂いた『魚海老文花瓶』は、図柄自体は代表的な魚介の文様ですが、口縁部にかけられた釉薬が図柄の一部にまで流れているのがアクセントとなった一癖ある面白い作品となっています。
人気の高い海老が描かれており、大きさも十分にある存在感のある一品ですが、共箱がないことなどからこちらの評価額となりました。付属品の有無も評価に大きく関わってまいりますので、あらかじめご了承ください。