こちらは、淡々斎直筆の茶掛作品です。
淡々斎は、茶道裏千家十四代家元で、茶道の学校教育への導入や海外普及に尽力しました。また、書画や能、和歌など多彩な才能を持ち、優れた作品を多く残しています。
千利休の系譜である裏千家の家元となれば、その直筆の書画は大変な人気を持ちます。
また今回のお品物は、掛軸を構成する部材にまで拘られております。
「千家十職」という茶道の三千家に出入りし、茶道具を製作する十の専門職家があります。その中の表具師「奥村吉兵衛」が本作の表具を、一閑張細工師「飛来一閑」が軸先を制作しております。
さらに、専用の箱には裏千家十五代家元・鵬雲斎の書付がございました。
茶道のビッグネームが技を持ちより制作した本作は、通常の直筆茶掛と比較しても高い評価が付きます。
また、箱や本品にもシミなどは見受けられなかったため、こちらの評価とさせていただきました。