今回ご紹介致しますお品物は、直斎 『萬年松』愈好斎極になります。
七代 堅叟宗守 直斎は江戸時代の茶道 武者小路千家の家元で、六代 真伯宗守 静々斎に子がいなかったことから養子として引き取られました。
表千家、裏千家とも協力し家元制度を確立したこと、茶だけではなく書や歌にも才能を発揮したことで知られています。
松は厳しい冬の寒さに耐え一年中緑の葉をつけること、樹齢が何千年になることから、昔から「門松」や「松竹梅」など不老長寿を祝う縁起物と信じられてきました。
禅語にも『松菊萬年歓』(しょうきくまんねんかん)という言葉があり、歓びと幸福が萬年つづきますように、といった意味が込められています。
古い時代の茶人の貴重なお品物であり、掛軸の状態、十二代 聴松宗守 愈好斎の極書があることも考慮し上記の評価となりました。