今回ご紹介するのは、池田満寿夫 『地蔵』になります。
池田満寿夫は今回ご紹介する彫刻の他に、画家、脚本家、映画監督とマルチに活動されていました。“エロスの作家”と呼ばれ、小説『エーゲ海に捧ぐ』が第77回芥川賞を受賞した際にはその内容が物議を醸したほか、テレビ出演なども積極的に行っていたため、ご存じ方も多いのではないでしょうか。
前述のとおり官能的な作品が多い氏ですが、今回お譲り頂いた『地蔵』は、突然の死の3年前に制作した“般若心経シリーズ”のうちのひとつで、世間的なイメージとは全く違う作品群となっています。土を用いてかたちを作り、時には焼成過程で崩壊しまた土へと戻る陶芸に輪廻転生を感じた氏は、陶芸こそ般若心経に相応しいとそれまで避けてきた日本の伝統に回帰して制作を行っています。
この『地蔵』は箱書きにある通り50個が制作されており、一部は国内の美術館でも見ることができます。
こちらは、作品の貴重さや箱・付属品の状態によりこちらの評価額となりました。作品の状態などによって評価額が上下する場合がございますのであらかじめご了承ください。