奥磯栄麓 『志野茶碗』

奥磯栄麓は、京都で画家の家系に生まれた陶芸家です。岐阜県久々利の加藤十右衛門に弟子入りし、技術面では加藤唐九郎に師事しました。

岐阜県可児市で窯を開き、桃山時代の陶器に関する考古学を学びながら、当時の陶器を再現する作品を制作しました。主に瀬戸黒、黄瀬戸、織部、志野などの作品を手掛けた作家です。

奥磯栄麓の作品の中で特に評価が高いものには、師事した系譜を受け継ぐ作品や、志野焼の中でも発色が白寄りのものより、紅やオレンジ色の発色が強いものがあります。こうした作品は、世間的にも高く評価される傾向にあります。

今回お譲りいただいたお品物は、全体的にややオレンジがかった発色が見られる点が特徴です。また、共箱が付属し、作品としてもカケやヒビなどの破損が見受けられないため、今回の評価となっております。