卯野和宏 『先へ』

卯野和宏は1978年に茨城県で生まれ、現在も東京都を中心に個展を開催しています。
京都芸術大学では非常勤講師としてデッサンを指導し、著書『美しい女性を描く – 写実画家から学ぶクロッキー・デッサン・作品制作』を執筆するなど、オンラインでもデッサンの授業を行っている現代のアーティストです。

卯野和宏氏の作品『先へ』は、2014～2016年に制作された「Ahead of There」シリーズの一作品です。
同シリーズでは、春から夏にかけての夕方、開放的に広がる山の中にたたずむ一人の女性が描かれています。写真のような高い写実性と、絵画ならではの温かみのある表現が見事に融合している点が特徴です。

特に目を引くのは、シャツや手のきめ細やかな描写です。風に吹かれて膨らむシャツの表現や、手の配置が美しく、作品に独特の躍動感を与えています。

卯野氏の作品の中でも特に高い評価を受けているのは、人物画の中でも顔がしっかりと描かれたものです。特に横顔や全身が描かれている作品が特徴的であり、高い評価を得ています。