こちらは、裏千家十四代家元・淡々斎による茶掛作品です。
「茶掛」とはその名の通り、お茶席で用いられる掛軸のことで、書かれている内容は様々です。
近年では床の間が少なくなっており、掛軸そのものも日常生活で目にする機会が減少しています。旅館や料亭などでは見ることがあるかもしれませんが、一般家庭で目にする機会は限られているでしょう。ただし、ご家庭で茶道を嗜まれている方がいらっしゃれば、飾られていることもあるかもしれません。
茶道の流派では主に「表千家」と「裏千家」があり、それぞれの作法には違いがあります。
今回ご紹介する茶掛は裏千家の淡々斎(たんたんさい)、別名・千宗室自らが描いた鯉の作品です。
禅語を示すものが一般的ですが、こういった自分の絵に自分で称賛する意味の書をいれる茶掛を「自画賛」と呼びます。
シンプルでありながら味があり、まさしく「めでたい」雰囲気が感じられる作品となっています。料亭などに飾ると、一層映えることでしょう。
評価ポイントとしては、作品に目立つシミや破れといった大きなダメージがないこと、また著名な茶人の直筆作品であることを考慮し、こちらの評価となりました。