角谷一圭は、大阪市出身の釜師です。
茶の湯釜の最高峰といわれる筑前芦屋釜の復元に成功し、その技術の高さから人間国宝に認定されました。
幼少期から釜師であった父の仕事を手伝い、成人後に自身も本格的に釜師の道を歩みます。若くから多数の賞を獲得し、随一の技量によって作られる茶の湯釜は現在でも高い人気を持ちます。
本作は釜ではなく、鉄瓶の作品となります。オーソドックスな造形の胴には松の紋様が描かれ、侘び寂びある日本的な情景を鉄肌に感じられます。歪さのない端正な丸みからは、純粋な釜師としての一圭の技術の高さが窺えます。
今回は作家の知名度の他、鉄瓶の人気や少々使用感があったことなどを考慮しましてこちらの評価とさせていただきました。