木村盛康は1935年京都五条坂出身の陶芸家です。
若いころに油滴天目を見てその奥深さに魅了され、現在も他の作家とは異なる独自の天目を追及しています。天目の制作は奥深く、現在でも次にどういったものが出来上がるか分からないと語っておられます。
「天目」とは長石と石灰岩、鉄イオンを原料としている釉薬をかけて焼かれるものであり、釉薬に含まれる鉄分の量が少ないと青磁、15%以上になると黒磁となります。
今回のお品物は光沢のある綺麗な黒色に複雑な模様がある茶碗となっております。同じ「松樹」の名を冠す作品は茶碗以外にも様々あり、人気の模様となっております。
今回は造形・デザインに加え、共箱と一緒に綺麗な状態で保管されていたため、こちらの評価とさせていただきました。