堂本印象『風雲自来』

堂本印象は京都府出身の日本画家です。

堂本家は芸術家を多く輩出した名門の一家です。その中でも特に目立った活躍をしたのが堂本印象でした。

作品は極めて多岐に渡り、作家として若いころは古典的な題材を用いた作品が多く、後年には淡い色調で描いた風景作品を扱うようになります。
現在、京都市北区には堂本印象の作品が集まる「堂本印象美術館」がございます。

今回の作品は淡い緑色の色彩で描かれていることもあり、比較的後年の作品であるかと思われます。「風雲」という言葉には、何かが起こりそうな予感や才能ある者の頭角を表す意味があり、風雲児という言葉でよく見かけると思います。

今作で描かれている一本木を見ると、風に煽られているような様子で描かれ、風雲という力強い言葉が作品の印象にまで影響を与えているでしょう。

今回の作品は、モチーフとしては人気どころから少し外れる点を考慮しましてこちらの評価とさせていただきました。