慶入 作 黒筒茶碗『冬木立』 淡々斎書付

慶入は京焼の名跡・樂吉左衛門の十一代であり、歴代吉左衛門の中でも多くの作品を制作し、現代にも数々の作品が残っている作家です。

慶入の特徴として、茶碗に限らず幅の広い作品を残していることがあります。これは時代のお茶離れに合わせ、様々な道具を作ることで生計を立てたからだともいわれています。

『冬木立』と銘されたこちらの真っ黒な茶碗は、光の角度によって淡い青色が映ります。まるで冬の夜道の、裸木の隙間から見える夜空のようではないでしょうか。

お茶会の席でもその完成度から、記憶に残る時間を作ることができるかと思います。

今回は裏千家十四代家元・淡々斎の書付がされたお品物になります。
楽吉左衛門の中でも時代のある作家の作品であり、箱には高名な茶道家の書付がされていた点を考慮しましてこちらの評価とさせていただきました。