玉川信一 作『昏い空』

皆様こんにちは。緑和堂京都南店です。

今回ご紹介するお品物はこちら。玉川信一 作『昏い空』でございます。

玉川信一は福島県出身、東京教育大学（現筑波大学）の芸術学部を卒業した日本の洋画家です。
現在は委員を務めている二紀会に若くして入選すると、その後も「現代社会における人物像」という一貫したテーマを描き続け、独特の作風が今もなお評価を得ています。

今回の『昏い空』も、玉川の特徴とされる面長の人物が描かれており、じっと細めた目がどこか倦怠や憂鬱な印象を与えます。それに加え、煌びやかな赤いジャケットを羽織っている姿が、現代社会への風刺的表現のようにも思えます。
玉川信一は他にも『昏い空』という同名の作品や『昏い日』といった作品があります。陰気さを表す際にも使用される「昏い」という言葉は、現代社会に対する不安を表すのに適した言葉だと言えるでしょう。

今回は油彩画作品であり、やや油彩に傷や汚れが見受けられたこと、作家の人気を考慮しまして、こちらの評価とさせていただきました。

緑和堂では玉川信一の作品以外にも絵画、版画作品を多く取り扱っておりますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。