皆様こんにちは。緑和堂東京支店です。
ゴールデンウィークも終わり、関東でも田植えの始まる季節になりました。私の帰り道ではカエルが大合唱しています。あまりに大音量すぎてちょっと風情が足りないですね(笑)
さて、今回は田園風景で必ずといっていいほど見かける鳥、「鷺」を主題とした掛軸をご紹介したいと思います。
この作品の作者は、有名な下村観山の弟子である木村武山という人物です。東京美術学校で観山に日本画を学んだ後、岡倉天心の日本美術院に参加し、衰退していた日本画の再興に尽力した近代日本画壇を代表する絵師となっています。晩年は仏画を描いていましたが、25歳頃は花鳥画を多く手掛けています。
今回の作品は、月夜の水辺で佇む鷺の姿を描いています。表題に「五位」とあることから、鷺の中でも五位鷺(ゴイサギ)と呼ばれる種類ですね。ちなみにこの五位鷺という名前、平家物語に由来しているそうです。気になった方はこちらも是非調べてみて下さい。
有名日本画家ということもあり、木村武山の作品は現在でも人気が高いものとなっています。晩年の仏画ではありませんが、作品のコンディションは経年による軽度な劣化程度、共箱つきということでこの評価結果となりました。