細川頼之 『披露状』

皆様こんにちは。緑和堂大阪支店でございます。

今回お譲りいただきましたお品物は、細川頼之 筆 『披露状』でございます。

細川頼之は、南北朝から室町時代にかけて活躍した守護大名であり、二代目官領(室町幕府において足利将軍に次ぐ立場)として名を残した方です。

「披露状」というのは将軍や貴人といった身分の高い人間に宛てた書状なのですが、敬意を示すために宛先を直接本人ではなくその側近の者にし、側近から主人への”披露”を頼むという形式が取られています。

こちらの披露状は応安7年(1374年)に書かれたもので、当時管領であった細川頼之から足利三代将軍義満の側近に宛てて送られた書状だと推察されます。
宛先にある壽寧院とは、天龍寺の別院である臨川寺の子院に当たります。披露状の形式と照らし合わせると、足利義満への披露を頼む形で壽寧院の主に細川頼之が送ったものだと解釈できるのではないでしょうか。

今回は日本史上の著名人であり、書状の内容や状態の良さを考慮しましてこちらの評価とさせていただきました。