こちらは見附正康 作 『赤絵細描瓔珞文 茶碗』です。
見附正康は九谷焼の作家で、主に赤絵の絵付を得意とする作家です。作風としては伝統的な人物や花鳥などではなく、緻密な線描から生み出される文様やパターンが魅力です。
今回の『赤絵細描瓔珞文 茶碗』も茶碗外側に繊細な模様があしらわれております。題にもある「瓔珞(ようらく)」とは仏具の一種で、仏壇などに吊り下げる装飾具のことで魔除けの役割のあるものです。瓔珞は元々細かな造りの物が多いですが、こちらのお品物は小さなお茶碗にシンプル且つ非常に繊細に描かれています。また、下部には赤絵の細かな線と金彩の模様が重なり華やかさや上品さがにじみ出ております。
こちらは共箱にも汚れが少なく、箱、お品物ともに状態の良い物であったことも評価させていただいております。