角偉三郎 作『帯付丸櫃』をご紹介いたします。
角偉三郎は、両親ともに漆芸作家という家庭に生まれ、自身も漆芸作家として国内外の展覧会で多く受賞を重ねております。
偉三郎の作品は生活の中の実用が追求されており、後年になるほど「うつわ」としての実用の美を感じ取れます。実用に目覚めたはじめは作品に三つ星のサインを入れていましたが、後年になるほど星は増え、最晩年の作品は六つ星となっております。
本作は米櫃の作品であり、帯のデザインがチャーミングです。しゃもじもセットとなっており、漆の色つやが白米とコントラストとなって映えそうですね。
裏面のサインは三つ星であったため、偉三郎の中では比較的若いお品物と言えます。
今回は根強い人気を持つ作家であること、制作年代や専用の箱が付随していたことを考慮しましてこちらの評価とさせていただきました。