今回ご紹介するお品物は、二世 白井半七 作「乾山写 松ノ図 食篭」でございます。
食篭とはお茶会などで、主菓子を出す際に使うお品物でございます。
招いた人数分の菓子を入れるため、大きく作られているのが特徴です。
角形の物や円形のものなど様々な種類のものが存在します。
今回の作品は乾山写という題がついておりますが皆様ご存じでしょうか?
乾山写とは江戸時代の陶工、画家である尾形乾山の作風を写したお品物のことをいいます。
ちなみに白井半七はこの乾山写がかなり上手と言われている作家です。
乾山同様葉は染付、木は銹絵でしょうか。
大胆なデザインでどこか温かみのあるこちらの作品はまさに乾山写しと呼ぶにふさわしいお品物といえるでしょう。
また、こちらのお品物には表千家十三代目家元である即中斎の花押がありました。
花押のある共箱も二重箱にしっかり守られていたため、非常にきれいな状態でした。貴重なお品物をお譲りいただきありがとうございました。