今回ご紹介させていただくお品物は、三浦竹泉 作『盃洗』でございます。
三浦竹泉は京焼の窯元の名前で、明治時代から続いております。茶道具、特に煎茶道具を得意としており、京焼の中でも人気のある窯元です。赤絵や染付など中国で長い歴史を持つ技法を作品に取り入れていることで、海外の方からも人気が高いです。
「盃洗」は、酒席で盃を洗うための水を入れる器です。昔から日本では、心を通わすために一つの盃でお酒を共に飲む風習があります。吞んだ後の盃をそのまま相手に渡すのは礼に失するとして、盃を洗うための器が使われるようになりました。
本作は竹泉の端麗な藍釉がよく表れた盃洗作品です。深みのある青が空間に落ち着きと上品さを与えるようで、日本的な酒宴の演出には的確なお品物ではないでしょうか。
今回は酒器の作品であったこと、一方で専用の箱が付随していたことや傷等が無かったことを考慮しましてこちらの評価とさせていただきました。