岡崎忠雄 『牡丹』

昭和後期から平成初期にかけて活躍した日本画家・岡崎忠雄は、現在でも高い評価を受ける人気作家です。彼は牡丹をはじめとする花をモチーフとした日本画で特に評価されています。

ヨーロッパへの外遊を経験した岡崎は、そこで得た欧米の風景描写や西洋絵画の技法を自身の日本画に取り入れるようになりました。その結果、花鳥画の表現に西洋画の特徴である遠近感を取り入れるなど、新しい日本画のスタイルを追求していきました。

今回ご紹介する作品『牡丹』も、そのような岡崎の挑戦の一例です。花弁や葉に一枚一枚立体感を持たせつつ、日本画特有の静かで繊細なタッチを融合させ、牡丹の存在感を見事に表現しています。

また、この作品には専用箱や黄袋が付属し、裏面には共シールもある完品状態でお持ち込みいただきました。作品本体の保存状態も非常に良好であったため、上記の評価額となっております。