棟方志功 『凡聖一如の柵』 棟方巴里爾識

皆様こんにちは。緑和堂大阪支店でございます。

今回お譲りいただきましたお品物はこちら、棟方志功 作 板画『凡聖一如の柵』でございます。

棟方志功は青森県出身の版画家です。
「板画」と称した志功の版画は、その独特な作風から現在でも高い人気を誇っています。単なる版画ではなく、木版画としての表現を最大限に追求し、自身の美学に基づく独自表現として志功は「板画」という言葉を使いました。

本作は、不動明王を描いた板画の作品となります。志功の作品は木版画らしいはっきりとした線と生気溢れる描画が特徴的ですが、本作でも一目で作家性が見て取れるのではないでしょうか。「凡聖一如」は、凡人も聖人も本性は同じであることを表す仏語です。憤怒の形相と形容されますが、不動明王の纏う空気が作品のテーマ性を立ち現せているように思います。

今回は人気の高い作家の板画作品であったこと、共シールに志功の長男である棟方巴里爾の証明があったことを考慮しましてこちらの評価とさせていただきました。