バブル期の美術品市場②


皆様、こんにちは!
京都南店でございます。
前回に引き続き、今回もバブル期の美術品市場についての逸話をお伝えします。
1987年、日本のバブル経済の象徴的な出来事として、ゴッホの「ひまわり」が日本人によって購入されたことが挙げられます。このエピソードは、当時の日本の経済状況や美術品市場の動向を象徴する逸話として語り継がれています。

オークションの背景

1987年3月30日、ロンドンのクリスティーズオークションハウスで、フィンセント・ファン・ゴッホの「ひまわり」が出品されました。この作品は、ゴッホがアルルで制作したシリーズの一つで、彼の代表作として知られています。オークションには世界中から多くのバイヤーが集まり、激しい競り合いが繰り広げられました。

高額落札

最終的に「ひまわり」は、当時日本の不動産会社である安田火災海上保険(現:損害保険ジャパン)によって、約5300万ドル(当時の日本円で約72億円)という驚異的な価格で落札されました。この金額は、それまでの美術品のオークション記録を大幅に上回るものでした。

影響と反響

この購入は、日本国内外で大きな話題となりました。日本のバブル経済の象徴として、美術品に対する投資熱が高まっていた時期であり、企業が高額な美術品を購入することがステータスとされていました。安田火災の購入は、企業のイメージアップや文化的な貢献を狙ったものでもありました。

その後の展開

「ひまわり」は、日本国内で展示され、多くの人々が鑑賞する機会を得ました。現在、この作品は東京の東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館(現:SOMPO美術館)に所蔵されており、一般公開されています。バブル崩壊後も、その価値と存在感は揺るがず、日本の美術界における重要な作品として位置づけられています。

教訓と現代への影響

この逸話は、バブル期の美術品市場の過熱とその後の冷却を象徴するものとして語り継がれています。現在の美術品市場では、作品の文化的・芸術的価値を重視する取引が増え、投資対象としての側面だけでなく、本来の美術作品としての価値が再評価されています。

このように、ゴッホの「ひまわり」の購入は、当時の日本の経済状況と美術品市場の動向を象徴する出来事として、今も多くの人々に記憶されています。