金島桂華 『牡丹』

皆様こんにちは。緑和堂大阪支店でございます。

今回お譲りいただきましたお品物はこちら。金島桂華 作 日本画掛軸『牡丹』でございます。

金島桂華は広島県出身の日本画家です。
14歳の時より日本画を学び、19歳で竹内栖鳳の画塾「竹杖会」に入門します。1918年の第12回文展で初入選すると、以後は帝展で何度も特選を受賞するなど評価を高めていきました。

金島桂華が得意としたのは花鳥画です。師・竹内栖鳳に連なる四条派の端麗な写実性をもって描かれる花鳥は柔らかさと厳格さを持ち合わせており、眺めるほどに造詣の深さを感じさせます。
本作は「牡丹」の花を描いた作品となります。牡丹は桂華の主要なモチーフの一つであり、長く観察し続けた故の描画が見て取れます。こちらは中心に据えられた赤い花弁や葉の一片に至るまでの繊細な色彩が目を惹きますね。

今回はモチーフやサイズの他、専用の箱が付随していたこと、一方で長期保存によるシミが見られたことを考慮しこちらの評価とさせていただきました。