こちらは十一代 三輪 休雪 作『萩焼 盃』です。
三輪休雪は山口県萩市の萩焼で知られている名門です。
今作は人間国宝にも認定された十一代(三輪 壽雪)の作品になります。
まるで生クリームがかかっているかのような見た目ですが、こちらは「白萩」と呼ばれるものです。
この雪のように綺麗な白は、ワラの灰から作られた黒い釉薬が焼きあがることで変色して生まれます。この現象を一般的に窯変と呼びます。ちなみに釉薬とは、ガラス質のコーティング剤みたいなものです。
しかし、萩焼の中でもこれほどまでに美しい白を出すことは容易ではありません。
そこで、休雪が釉薬の原料にこだわってたどり着いた答えがワラの灰でした。
ワラの灰は焼くと独特の粘りを出し、その粘りがアクセントとなって作品に深みを持たせます。
ワラからは大量の灰汁や不純物が出ます。そのため、長い時間丁寧に取り除く必要がありますが、その先で「休雪の白」といわれる美麗な白萩へと生まれ変わるのです。
作品本体に傷やひび割れ等も無く、購入当時の十一代休雪本人が書いた箱書きの共箱がきちんと付属していましたため、今回はこちら評価をつけさせて頂きました。